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あるゲイのサワライ マモル。

社会人2年目、慣れない東京

日記170206~170212

日記

2017年2月6日(月)

管理職に最近の残業の心配をされた。
大丈夫?って聞かれたら大丈夫です、って言うしかない私の性格ですし、当たり障りのない言い訳めいた大丈夫ですメールを作るのにけっこうな時間も費やしてしまって、ゲンナリした。

残業という行為には色々と思うところがあるのだが、毎回、
「でもニュースでやってる過労死とかの残業時間よりは遥かに少ないのにこんなこと思っていいのだろうか…」ってなって、重症だなと思う。
定時で帰っていいはずだから本来は! 「残業に大きいも小さいもない!」と私の心の中の深津絵里(踊る大捜査線のすみれさん)が叫び、その凜とした姿(妄想)に、ただただ憧れの眼差しを向ける。

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2017年2月7日(火)

今日は一日中作業とわかっていたので、昨日残業せず早く帰れと言われながらもギリギリで実験内容だけなんとかまとめたファイルをメールで流しといたのだけど、「適当にまとめずしっかりと書いてから配信した方がよいのでは?」と別の方にやんわり指摘され、
「あ〜い、とぅーいまてぇ〜ん!!」(ですよ。)という感じだった。今日明日作業決まってたし結局そんな時間なかったし、結果は知らせなきゃだし、昨日あの程度まとめて取り急ぎ流すのが、私の限界でした。ごめんねごめんね〜。 最高ドラマ「カルテット」の最高さだけが加速してゆく。

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2017年2月8日(水)

なんだかやること多くてよくわからない。余裕がない。よくない。
「顔が赤いよ、熱でもあるんじゃない?笑」と冗談でおでこを不意に触られそうになって、普段なんにも思わないおじさんにまでドキッとしそうになってしまった。どんなけ男に飢えてんだよ。Mさんにやられたらしぬ。絶対ないけど。
Mさんと言葉を交わせないほど居室にいられない。作業で今日も一日つぶれた。どーにかならんもんかね。疲れた。

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2017年2月9日(木)

思いがけずMさんから出張みやげに変なキーホルダーをもらい、午前中からテンションがおかしなことになった。
うれしい貰い物が、変なものであればあるほど、そのうれしさはその人への好意で成り立っているわけであって、あらためて熱量を思い知ることになる。腐っていたここ数週間の気持ちが一気に晴れ、単純かよ、と。家宝にした。

今日はササッと帰って珍しく都心へ繰り出した。
Fが引き合わせてくれた東京フレンズと飲酒。久々にあんなあっけらかんと痛快な人たちとしゃべった気がする笑
これまたここ数週間のモヤモヤが弾け飛んだ。

今日はいい日。誰にも文句は言わせません。

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2017年2月10日(金)

海外出張中の設置メンバーに荷物を送るべく、朝から奔走。
余裕ぶっこいていたが、あっという間に集荷の時間が迫り、Mさんにまでマニュアルのファイルとじなど雑務でこき使ってしまった。
とはいえなんとか間に合いホッと一息。
煩雑な書類を作り、電話をかけ、ダンボール片手に走り、ドライバーの到着と同時に息を切らしながら集荷場に駆けつけた私は、なかなか会社員然としていてよかったと思う。

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2017年2月11日(土)

渋谷のシアターコクーンにて、Aと舞台を観劇。
ミュージカルが好きで東京に来てから何度か観劇してきたが、歌なし芝居だけの舞台は初めて。ちゃんと楽しめるか不安だったが、杞憂だった。
昭和の東京オリンピックを控えた時代の宿泊施設を舞台に、亡き父の遺志を継いだ娘、元夫、元夫の婚約者/家族、ウソをつく悪い現夫、歌手、マネージャー、手品師、挙げ句の果てに亡き父の幽霊と、色んな人が舞台狭しと立ち回り、コミカルでとても面白かった。
本音を言ってしまう神のアイテムで、ぎこちなかった元夫婦の主役2人が正直に言い争い出すシーンなどよかった。小池栄子さん、松岡茉優さんの感情の染み出させ方。

昼集合の終演16時すぎでたいへん飢えていたため、渋谷の奥の、路地裏に見つけたうどん屋さんにてチュルリラ。店内店外と、大量のフィギュアや舞台・映画のポスター、オモチャなどがディスプレイされ、カルチャーとうどんの融合が斬新だった。きんぴらごぼう天がお気に入り。

大満足でAと別れ、乗り換えの新宿でふと、最近の男日照りを憂い、2丁目を歩いてみた。アプリのメッセージが全然続かず出会いもないので、ゲイバーに、しかも1人で行かない限りは現状変わらないよなあ、とボンヤリ思ってのことだった。
とはいえ以前友達と行ったお店の場所が思い出せず、ていうかゲイバーを前にしたところでそもそも1人でバーを嗜む作法も知らず、怖気づいて、尻尾を巻いて帰った。
というわけでひとりゲイバーは未遂に終わった。
今度誰かについて来てもらってまずは情報収集から、といった目標を立てた。

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2017年2月12日(日)

久しぶりに昼過ぎまでたっぷり寝た。
長時間眠るためにはそれなりに体力が要ると最近聞いたので、体力が戻りつつあるのを体感。
ゴミ屋敷をひたすら片付ける。平日は一挙手一投足が部屋を散らかしていくので、土日にちゃんと片づけようとしないと本当にひどいことになる。こまめに掃除できたらいいんだろうけどなあ。何もかもめんどくさい。

来週の京都旅行の準備など。会社の採用活動の手伝いが月曜にあるので交通費が浮いてラッキー。なかば京都サークルともいえる大学の同期と綿密な計画を立てた。こういう手配にはまったく手間暇を惜しまず力が入る。楽しみ。

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日記170130~170205

日記

2017年1月30日(月)

吉本新喜劇って、毎回同じこと繰り返してて何が面白いん?笑」とかつまんないこと言いだした方がいらしたので、あきれて説教してやったが心に響かなかった模様。吉本新喜劇は基礎教育でしょうが!ベタを学んで、基礎があっての応用でしょうが!!あんなに理想的で魅惑的なテンプレートって他にないよ。てゆーか普通におもしろくない?ごめんやして遅れやしてごめんやっしーだよ?
「つまらないものにはメェーン!」ということで、つまらないヤツは置いていくしかない。我々は我々で、先に進みましょう。

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2017年1月31日(火)

会社の採用活動に協力せねばで、1日ダルい研修。そのせいで通常業務がずれて残業増えるの、なんだかな、といった感じ。
求める人財(人材ではなくあえて財と書くパターン)のイメージが、自分とあまりにかけ離れていることに、1日かけて向き合わされて(マジメなので研修とかちゃんと受けちゃう)、耳がキーンなった。
労働には消耗が伴うことを、美化するのつらい。働くことを魅力的に伝えるなんてことしたら、いつか自分の言葉で自分の首をしめることになるのでは?と思うから。

いや〜、まあ多分みんなこんなことウジウジ考えないよね。はははうんこうんこ。
最高ドラマ「カルテット」が心の支え。

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2017年2月1日(水)

今日も今日とて残&業。疲れたね〜。
アミューズメントドラマ「東京タラレバ娘」を見るともなく見る。
どうにもこうにも田中圭がかっこよく、かわいくて、すごくよい。大人だけど無邪気、みたいなのズルいね。昔はそんなに気にならなかったのに、ここ最近いい具合に加齢が功を奏してらっしゃる。
あーいうクシャッと笑う、犬顔の人が好みなのかもしれない、職場の上司(42)なんかまさにそんな感じ。
歳を感じさせない無邪気さ、そしてふとした時の色気。ハン、何言ってんだか。

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2017年2月2日(木)

少し寒いが、快晴の日。
昼休みにふと、先週末結婚式を終えたばかりのホヤホヤ同期に「こないだの結婚式もすごいいい天気だったよね〜」と何気なく言ったら、驚くほど良いリアクションをしてくれた。聞けば、最初は雨予報だったが、神社にお参りに行って、天気良好なあの吉日となったらしい。
「いや〜、何の神かわからないけど、入信したくなったよね」と言っていたのが面白かった。

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2017年2月3日(金)

担当機種の飲み会。マシンのトラブルで鬼遅刻だったが、他の人も集まり悪く、少人数だから普段より緊張せずで和やかにハナ金。
超絶ストイックな先輩が「最近朝ふつうに会社行きたくないよね」と言っていて、みんな結構同意してて、あ、このパーフェクトヒューマン達でもそういうこと思うんだ、とちょっとホッとした。だが同時に、それだけ深刻な職場じゃねーかということなのだけど。

たしか豊洲新市場の話からベンゼンの話になって、おれがベンゼン環のモノマネ得意だったという話をしたけど化学で受験してないとまったく伝わらないということを再認識。炭素原子6個から成る六角形の構造が、化学式では特別な記号で表され、高校化学では頻出する。テストでその六角形を書くたびに、どうにも困った人の顔にしか見えなくて、その困り顔の顔マネを同級生にみせては微妙な笑いを取る、高校時代の僕でした。

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2017年2月4日(土)

下北沢でFと待ち合わせ。
花泥棒という名の隠れ家的な喫茶店で茶をしばく。バッタリ入ったにしては隠れ家感がほどよく、上出来。
ついつい疎遠になる友人にも積極的に会いに行く方がいいのではないか、という話など。上と下の調整がうまい人のことを「(サンドイッチでいうところの)ハムの人やな笑」とFが言っていてウケた。

そうして時間をつぶしてお腹をちゃんと減らして、メインイベントの神保町のカレー屋さんへ。
古書とカレーの街・神保町の路地裏に入り、雑居ビルの階段を上る。本当にこんな所に?と弱気になりかけたところに見えた行列と漂うカレーのにおい。
いやはや人生の最高オブ・ザ・カレーにたどり着いてしまったかもしれない。記憶の中にあるビーフカレーの味の向こう側で、何層も複雑な味をくぐり抜けた感覚。色々なスパイスが効いているということなのだろうか。よくわからないが、めちゃくちゃおいしかった。

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2017年2月5日(日)

うれしい急なお誘いで、昼間から飲酒。
社内技術研修の講師として奇跡的に知り合ったゲイの大先輩Pさんと、研修を最優秀でクリアした同期のTと。
「会社のあぶれ者」という共通項で集まったメンツだと言われ、否定するスタンスをとりつつも、会社のグチのような話についつい花が咲き、やはり異端の集いに居心地の良さをしっかりと感じた。
Tはストレートで、我々の事情を知っているのだが、特別視するでもなく自然体で接してくれるので、話のわかるヤツだ。なによりサブカルクソ野郎なので話が合う。案の定カルテットを観ているとのこと。

いつものようにPさんが酔っぱらい、「早く彼氏を作って連れてこい」とわめき、うるさいなこっちだって早く作りてーよと反論するも、酩酊状態のその耳にはあまり届かず。いつものパターン。

大切にしたい集まり。

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61、オブラートに包まれたなら

仕事ダルい 雑記

お正月特番でやっていた、「ご本、出しときますね?」という番組が面白かった。

 

www.bs-j.co.jp


去年BSでレギュラー放送していて、毎週かかさず録画して観ていた熱心な視聴者なんですが、1クールで終わってしまって残念だったんですよね。
そこからのこの特番だったので、そりゃ録画するっつーもんです。

読書芸人としても知られるオードリーの若林さんがMCとなり、毎回小説家をゲストに呼んで、あまり知られていない作家の生態に迫るトーク番組なんですが、まあ~面白かった。


作家さんの豊かな語彙力によって編み出される斬新な言葉づかいから、日常のモヤモヤのヒントがみつかったり、お腹が痛くなるくらい笑ったりする。

小説って、説得力を持たせるために人間のあるあるが詰め込まれていると思うんですが、人間あるあるを駆使する作家さんはみんな、ツッコミ目線が備わっているような気がします。

ボケとツッコミの役割の話というよりかは、人間の行動の笑いのポイントがわかっているというか。見逃してしまいそうな些細な事も上手にすくって言葉にしてくれるというか。

それでいて、作家さんと交流のある若林さんがお茶目なエピソードを知っていたりするので「作家さんって頭いい人ばっかだと思ってたけど、意外とバカなんだね笑」とかいう話も聞けちゃったりして、それもまたfunnyというよりinteresting、みたいな!?cleverな笑い、というか!?(uza)

 

今回のお正月スペシャルも、面白トーク満載だったんです!
そしてその中で1か所、どうしても「オレも話に加わらせてくれー!」という場面がありました。

蹴りたい背中」で芥川賞を授賞された綿矢りささんが、気になった去年の流行語としてPPAPを挙げて、

「PPAPは、(突き刺して合体という)性的なニュアンスが感じられるから流行ったという誰かの話を聞いて、何かネーミングとかの参考にしたいと思った笑」

というようなお話をされていて、若林さんがためらいながら、

「でもちょっと違うかもしれないけど、家電のデザインでも感じる時ありますもんね!?USBメモリ差し込んでる時とか、それ意識して作られてるんじゃないかって…。」
と発言されて、

「そこまでいくと発想が中学生ですよ笑」とたしなめられていました笑

 

番組のトークはそこでオチがついて次の話題にさっと移っていったのですが、サワライはここを少し掘り下げたい!なぜならメーカーで電気的な接続とかを設計・開発しているから!

電気部品を接続する箇所ってコネクタとか呼びますけど、色んな種類から選定して、使用する部品ごとに適したコネクタを考えることも重要な設計作業なわけです。

巨大な装置ともなればめちゃくちゃ部品が多くて、そいつらを適切につなぐケーブルを作ることは基本的だけど、とても大切な作業。新人サワライはこの2年がんばって取り組んできました。その間ず~っとモヤモヤしてきたことがあります。

 

コネクタは絶対に「凸」と「凹」で1セットになっているんです。
差し込む側と、迎え入れる側。

これをエンジニアは「オス」と「メス」って呼ぶんですよ!!!

 

えーーーー、露骨!!!!!!

突起物と、穴のものが、ペアだからって、確かにわかりやすいけども…。

 

くれぐれも言っておきたいのですが、周りの先輩エンジニアの方々は、まじで平然と記号として「オス」「メス」と言い分けている感じで、ニヤけながら言ったりとかはしないんです。


初めて教わる時も、何事もないかのように、あ、というかわざわざ教えてもらったりすらしてないかも。
「そこのメスのコネクタとって」って言われたから、あ、はいこっちですねってなった気がする。
でもその数秒後意味をちゃんと考えて、あれ今すごいことサラっと言わなかった?性器連想させたよね今?みたいな、時間差で、ジワジワ来ました。
それ以来、周りがあまりにも平然としてるもんだから聞くに聞けなくて、話題にもしづらくて、もうすぐメーカー勤め2年が経とうとしていますが、ずっとモヤモヤしてるんですよね…。
オスのコネクタ、メスのコネクタ、別に普通に言えるし照れたり口ごもったりはしませんが…。その都度、頭の中で性器を経由している、未熟者でございます…。


なにぶんウブなもんですから…。

 

いやでもこれ、こんなにもシンプルに本質をついた呼び名もないですよね。
その通りだもん。

そして、物理的になにか2つの物をがっちり結合させるためには、凸と凹ではめ込む以外ないもんね。ただの合理的な話ですよね。深い意味は、本当にまったくない、はず。

 

あ、ちなみになんですが、電気的設計の観点からいうと、電気を供給する電源側のコネクタはメスにして、つなぎたい部品から電源に続くコネクタの方を、金属の突起が出ているオスにするという基本ルールがあります。
電源側で金属の突起がとび出ていると、間違って感電とか、ショートさせちゃうと危ないですからね。
電源コンセント(壁側)とプラグしかり、パソコンのポートとUSBメモリしかり。
おばあちゃんの知恵袋。


この点においては、生物的なオスとメスとは役割が逆、みたいなイメージgげふんげふん!!いやだから下ネタ苦手なんだってば!!!清純派なんだから!!!!言わすなよ!!!!

 

なんか他にいい呼び名ないかね…。「ツッパリ」と「控えめ」、とか…。いやなんか全然違うな…。

他にもね、カタカナで呼び分ける呼称とか見かけたこともありますけどね、基本現場で呼ぶときはね、オスとメスはわかりやすいからね…。短いからね…。絶対間違えないしね…。設計ミス防止はめっちゃ大事だからね…。しょうがないよね…。

 

この先もたぶんサワライは、このなんともいえない照れを抱えながらずっと仕事していくんだと思います…。
つーかみんな絶対頭の中で性器経由してる!!
そうだろこのムッツリスケベどもが!!!!

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60、右手に剣を、左手に生首を

美術館 消費者

床屋から美容室へと、少年は階段をのぼった。

もう10年以上も前のことになります。
ワックスで頭をツンツンさせた中学の同級生に教えてもらい、地方の田舎にはめずらしいガラスばりの建物に初めて足を踏み入れたあの日の緊張は、今でも鮮明です。

「す、すっきり短めにしてください。」という漠然とした注文をなんとかしぼりだし、美容師さんの「部活、やってんの?」というあたりさわりのない質問に必死で答え、背伸びして手に入れたいつもより少しだけオシャレな髪型。帰りの親の車に乗り込むときの窓ガラスに映った、いつもと違う自分にほんのりと舞い上がった。

店先での丁寧なお見送りを照れくさく思いながらあとにしたそのお店は「サムソン&デリラ」という名前だったのですが、なんだかよくわからないカタカナの羅列も、かっこよく感じられ、興奮に拍車がかかりました。

 

なつかしい地元の美容室の店名を急に思い出したのは、東京の美術館で「サムソンとデリラ」という同じ名前の絵画を発見したからでした。

えっ!?と驚いて近くの解説を見ると、旧約聖書に登場する「サムソンとデリラ」という物語を題材にした作品、とあります。
美女デリラの膝枕で眠る、怪力の策士サムソン。
一見、相手を愛おしんでいるかのように見えるデリラの手元にはハサミが光り、サムソンの怪力の源である髪の毛を切ろうとしている場面らしい。サムソンのことをよく思わない連中に買収されたデリラの罠。のどかな膝枕カップルの第一印象がひっくり返り、女の誘惑に屈する男という構図が見事でした。


解説を見て、絵の構造が理解できたとともに、
「そうか!あの美容室の名前は、髪の毛にまつわるこの物語が元ネタだったのか!」
となんだかこの世の真理を見つけてしまったかのような、名探偵にでもなってしまったかのような、猛烈な気づきがあったのでした。


あの長ったらしい名前は、けっしてデタラメに決めたものなんかではなかったんだ。
粋!おしゃれ!目の前の歴史的な名画をそっちのけに、地方都市にも細やかに出店している美容室チェーンに思いを馳せたサワライだったのでした。

 

 

www.tbs.co.jp

年末の休みに、上野の国立西洋美術館でやっていた「クラーナハ展」にふらっと行ってきたんです。
ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家であるらしいクラーナハさんの作品が拝めるのですが、さっきの「サムソンとデリラ」みたいな、女の誘惑に弱い男コーナーが面白かったな。
神話の英雄ヘラクレスが女神たちに囲まれてただのスケベオヤジみたいなゆるみきった顔になっている絵とか。

ていうか展示会のポスターにもなっている、剣を持った「ユディト」という女の人の絵、涼しい顔して男の生首持ってたからね。
首の断面まで生々しく描かれていて、まじかよ、といった感じで引き寄せられると、どうにもこうにも「凛としている」ユディトの雰囲気が、もしかして素敵なのかも、と思えてくる、そんな作品でした。(グロいの苦手なので最大限の譲歩)

 

クラーナハ展が2016年の美術館おさめでした。
2017年も、美術館ちょっとずつ行きたいなあ。
そんで、ふ~んって感じでうわべをなでるようにカジュアルに楽しんでいきたいです。

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59、2016年、僕の私の大量消費社会

消費者 映画 ミュージカル

お久しぶりです!サワライ マモルです!

 

光陰矢の如し。加齢とともに年々加速する「今年もあっという間だったね」感。

サワライ的には毎度のことですが、2016年、今年もなんかオロオロしてるうちに過ぎちゃったなあという印象です。

 

仕事、うまくできないし、彼氏、微塵もできないし、去年に引き続きウロウロしてたサワライが、ギリギリのところで正気を保つことができたのは、エンターテイメントのおかげでした。

 

 

というわけで、サワライを救ってくれた2016年のお気に入りご機嫌コンテンツを以下に紹介していくぜ!独断と偏見だぜ!今年もいっぱい好きが増えました!

 

 

 

~小説~

 

●「美しい距離」

 

美しい距離

美しい距離

 

 

 不治の病の妻とその夫の日々。難病ものって、お涙頂戴の感動作で片付けられてしまいがちですが、この作品はもっと淡々としています。おおげさじゃないからいい、というか。それは決してうすっぺらいわけではなく、静かにしっかりと、死を自分たちのものとしてとらえていく夫婦の姿が美しく描かれていて、すごくよかった。

最後に、妻の死により妻との距離が日ごとに離れていくことに対して、それもまた乙なものだと、夫が肯定する描写がすごく印象に残る作品。

 

 

 

●「コンビニ人間」

 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

 

大学卒業後就職をせずに、ずっとコンビニでバイトを続ける36歳未婚女性の話。幼い頃から周りの人の「普通」に寄り添えない彼女は、完璧なマニュアルが存在するコンビニでだけ自分が世界の「部品」になれると、コンビニのために眠り、コンビニのために食べる生活を送る。そんな極端な彼女の姿に、世間の常識からの解放をみるか、あるいは狂気を感じるか…

身近なコンビニを舞台に、常識や価値観を激しく揺さぶられる楽しさを味わえます。

 

 

 

●「みかづき

 

みかづき

みかづき

 

 

 昭和から平成にかけて、塾産業とともに歩んできた家族三世代の大長編。

キャラがみんなめちゃくちゃ魅力的で、教育をめぐる展開がとにかくアツいんです。

気の強い女性にタジタジなおおらかな男の構図とか、個性豊かな三姉妹のそれぞれの活躍、超然としたかっこいいおばあちゃんなど、好きな人物像が次々に出てくるのがお気に入り。

 

 

 

~映画~

 

●「怒り」

映画『怒り』公式サイトwww.ikari-movie.com

57、「怒り」にゆれる喜び - あるゲイのサワライ マモル。sawaraimamoru.hatenablog.com

 

ブログも書きましたが、人を信じること、生々しい感情が描かれた作品。心がグワングワンに揺さぶられる骨太な仕上がり。妻夫木くんに恋をし、宮崎あおいの幸せを祈る映画。

 

 

 

●「シン・ゴジラ

映画『シン・ゴジラ』公式サイトwww.shin-godzilla.jp

 

怪獣映画というか、会議映画でした。

未曾有の大災害発生時に、国の頭のいい人たちがどのように動くか、というのを、エヴァ的なスピード感ある画面の切り替わりでテンポよく展開していく心地よさ!豪華俳優陣をエキストラ的に使ったり、街の作り込みがすごかったり遊び心も満載で圧倒的なエンタメりょくでした。

 

 

 

~ドラマ~

 

●「ゆとりですがなにか」

ゆとりですがなにか|日本テレビwww.ntv.co.jp

 

岡田将生松坂桃李柳楽優弥演じるゆとり世代が、うるせー馬鹿ヤローゆとりだなんだ関係ねえんだよといった感じで、宮藤官九郎脚本特有の独特な長い感情的なセリフをまくしたてる感じが大好きでした。うっかり岡田将生のよさを悟ってしまった作品。ヒロインの安藤サクラさん最高。

 

 

 

●「逃げるは恥だが役に立つ

火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』|TBSテレビwww.tbs.co.jp

 

個人的に自信をなくしていた秋口から冬にかけて、毎週楽しみに、心の支えにしていたドラマ。

派遣切りからの就職としての偽装結婚、からの本当の恋。現代が抱える社会問題の捉え方が絶妙に丁寧で、職業観とか、特にジェンダーの考え方が大げさでなくフラットで、すんごくよかった。

物語に散りばめられた色んな番組のパロディも最高に面白くて、キュンとするシーンも満載で、最高&最&高でした。

星野源、別にそんな好きじゃないんだけど、なんか、みちゃうんだよねえ…いや、別に好みじゃないんだけどなあ…という謎の言い訳を続ける自分のちっぽけな存在を意識せざるをえない作品。

 

 

 

~歌~

 

●「Have a nice day / 西野カナ

 

Just LOVE

Just LOVE

 

 

 4月~9月のめざましテレビのテーマソングでしたね。生まれながらのめざましテレビ派な自分の、会社への行きたくなさを見事に払拭してくれる最強おはようソング。ウキウキなメロディーとともに繰り出されるかなやんの底抜けポジティブ歌詞が最高。

トマトが嫌いな歌でレコ大おめでとうな西野カナやんは、ホントに歌がうまいんすよね。YouTubeでの強いかなやんのTrue Colorsも好き。

 

 

 

●「ともだち with 小袋成彬 / 宇多田ヒカル

 

Fantôme

Fantôme

 

 

 宇多田ヒカルの復帰アルバムはみんなチェキラウトした?サントリーのCMの道、も大好きなんだけど、やっぱりゲイのことを歌ったとされるこの曲をいっぱい聴いたなあ。触りたくて仕方ないあなたとは、やっぱり友達になれないなあ、とのこと。イントロとアウトロのメロディーがめっちゃかっこいいんだよね。

 

 

 

●「恋 / 星野源

 

恋

 

 

 言わずと知れた最強ドラマ逃げ恥のテーマソング。

ダンス習得の日々。

主演のガッキーの激キャワな恋ダンスもいいけど、星野源が歌番組で歌う時のバックダンサーのキレキレな恋ダンスも大好き。

てかこの曲めっっっちゃよくない!?「ただ腹を空かせて君の元へ帰るんだ」のとことか!好き!

 

 

 

~ミュージカル~

 

●「1789」

帝国劇場『1789 バスティーユの恋人たち』www.tohostage.com

 

46、革命日和 - あるゲイのサワライ マモル。sawaraimamoru.hatenablog.com

 

ブログにも書いたフランス革命のミュージカル。神田沙也加の声の力・健気なヒロイン像、小池徹平の少年漫画的ヒーロー像、ソニンの情念、農民の魂からの訴えを表す合唱・群舞。もっかいみたいなあ、いつか再演してくれないだろうか…

 

 

 

●「キンキーブーツ」

ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」公式サイトwww.kinkyboots.jp

 

三浦春馬ドラァグクイーンを演じた異色作。三浦春馬がもはやドラァグクイーンでしかなく、圧倒的な強さ・美しさがかっこよかった。女性性と筋肉の両立、が斬新で、でもめちゃくちゃ説得力のある強さだった。

 

 

 

●「RENT」

ブロードウェイ・ミュージカル『RENT(レント)』20周年記念ツアー来日公演rent2016.jp

 

今週みてきました笑

マイノリティーや麻薬中毒エイズなどに焦点を当てたブロードウェイミュージカル。

初めて海外キャストのものを観てみましたが、歌かっこいい!最高!

舞台の両サイドで字幕がちゃんと出るんですね、慣れないとちょっと忙しない笑

なんかのCMでもおなじみの「Seasons of Love」が本当にいい歌すぎて、ソロの人うますぎて、鳥肌ののち涙。よかった。

 

 

~~~~~~~~~~~

 

という感じでした2016年!!

来年も色んな楽しいものを、俗っぽく消費していきたいなあ!

スマップがいなくなっても、強く生きていくからね。

 

 

やべえ、紅白始まる!!消費せねば!!

 

58、ペンパイナッポーClap your hands.

仕事ダルい LGBT

久しぶりにブログを書く。緊張している。
そういうぎこちなさも、味があっていいのでは?
という価値観が存在する仮想世界の設定で、読んでいただきたい。

 

10月は、仕事が忙しかった。


こう短く言い切るのには抵抗がある。
忙しい=充実アピール、になることを極端に恐れている。

自分はそんなすごいことなんてまったくしていない。

ただ感覚的な話として、この10月は、普段やっている業務と少し毛色の違うことをする必要があり、それに対応するのにいっぱいいっぱいで、焦ってばかりだったな~という感想。

会社員歴1年半という区切りに、少しは余裕が出てきそうになったかなと思ったのも束の間、「そんな甘くねーから!」と、頭上に金ダライが落下してきた気持ちだ。

 


メーカーの開発職ということで、まあわりと実務で、先輩に業務内容を教わっていく中で専門技術を身に着けていきましょう、という普段の感じなのだが、3週間ほど所属の職場を離れて専門技術の講義・実習を受けるチャンスがあり、幸運にも受けさせてもらえた。

今はまだ実務では任せてもらってないが、職場でも必要な技術で、絶対に役に立つはず。が、いかんせん覚えることが多く、難しく、研修は困難をきわめ、くらいついていくのに必死だった。

そんな中、研修後すぐに、初めての海外出張に行くことが決まり(実務で)、研修と並行して出張の準備を進めることになり、頭がパンパンだった。

もともと2つのことを同時に並列で進めることが苦手なタイプだ。
就職活動の時なんかは、「1つのことにまじめに、コツコツ成し遂げるタイプです☆キャピ☆」なんてお茶をにごし放題だったが、仕事ではそうは問屋がおろしポン酢。
困るのは自分だから、なんとか準備にモレがないよう気をつけメールで連絡などしつつ、技術研修もわからない点をコソコソ人に聞きながら、考えて、習得できるよう奔走した。


そうしてなんとか研修のゴールを迎え、息つく間もなく向かった初の海外出張先で、精神的につらいことがあった。

 

要点を言えば、営業さん交えた飲み会になり、普段の開発だけの飲み会では比較的少ないゴリゴリの男性社会的な話の流れにまったくついていけず、うまくかわすこともできず、心が死に絶え、ただただ曖昧な笑顔を浮かべながらうなずき続ける赤べこ(福島県の名産品。赤い)になってしまったという出来事があった。


男性社会的な話って何かって、まあ、海外出張といえば風俗、みたいな、若手はヤンチャして一人前、みたいな話。

どうも話を聞いていると、やっぱり、仕事内容という共通項だけでトークが続くわけもなく、出張先でわりと普段関わりの薄い人も同席して、交流を深める必要がある場で、何か、共通項目でみんなのコミュニケーションがうまくいくようにするためには、これだ!って、必殺の、鉄板の、みたいな流れで風俗の話。という感じだった。

 

自分はゲイなので風俗とか興味ありません!とは口が裂けても言えなかった。
だって、せっかく盛り上がる交流のキーワードなんだから。
このテーマで、コミュニケーションが円滑に進むに決まっているんだから。

 

しかも、なんなら、会話の主導を握る40代ぐらいのオッサンたちが、あくまで自分たちは家族もあるし最近はめっきり風俗とかご無沙汰だけど、若い人たちは、ねえ?笑
みたいな、ちょっと無理する感じで、もう、無理するくらいなら、よくない?もうやめない?ってなる感じだったけど、でもじゃあ、なにか話題を提供できるわけでもなく、ただただ、風俗がその場の正義だった。そして、残念ながらたぶんきっと、2016年の日本社会において、「若い男性社員は風俗好きでしょ?笑」で円滑に進む組織がいっぱいあるんだと、漠然と感じた。

幸い、実際に風俗に連れていかれる、なんてことはなかったが、どうにもこうにもつらかった。怖くなった。
「ヤンチャ」とか、「オネエチャン」とかいう単語、本当に無理。なにその共通言語。


日本の企業はこういうふうに、非常に簡素化された男性社会を確立して、マンパワーを結集させて、ドーピングして、高度経済成長を成し遂げてきたんだなあとなんとなく思って、なんか途方もなくて、女や、LGBTが、本当に平等になることなんてあるのかなって、とても気弱になってしまった。
ここまでシステムが確立してしまった上で、今さらドーピングなしでやっていけるの?っていう。

 

もちろん急速にLGBTの話題がホットになりつつある時代の流れも確かに感じているけど、みんなの価値観を変えるのって、すげえ大変だよな~って、すごく怖くなった。

職場が普段一緒で、少しずつだけど仲良くなり始めた周りの先輩たちが、今回の営業さんたちと同じ感じなのかなって、想像するのが怖かった。(普段あまり下ネタ的なこと話さない)

 


自分が上記のように主張していることは、おそらくセクハラ、という言葉に置き換えられると思うけど、その旨が伝わる人は会社の中に一体どれだけいるんだろうか。


ていうか自分でも自信がない。自分が我慢すれば済む話のような気もする。
セクハラなんて大げさだって、自分でも思う。
自分の今の開発職場に関して言えば9割9分男だし。
LGBTが~とか突然言える気はまったくしない。
だとしたら、会社はどうやって変わるんだろうねえ~という自分事ながら他人事で、遠い目になってしまう。

 

ニュースとかで、もちろんLGBTの革新的な話題には目を見張るけど、それが末端にいきわたるのって、あとどれくらい待つことになるのかな~って、気が遠くなった。

 

 

そして、そうやってうろたえている内に、今月また海外出張に行くことになってしまった。
普通に別件で体力的に不安もあるので、わりと怖い。

職場の人手不足による、消去法的な人選なので、出発前に覚えることもやるべき作業も満載で、プレッシャーがパない。

そしてそして、おそらくがんばるととてつもなく成長できる気もする。ここが厄介だ。なにダメ人間のくせに仕事にやりがい感じてんだよ。みたいな。


もうでも、流れに身を任せるしかない、という感じ。はぁ~あ。


「海外出張なんていいじゃん!チャンスだし!」という声ばかりなので、弱音を書き記しておく。がんばれがんばれ。

 

あー!ていうかクリスマスまであとちょっとしかないのに出張とかしてたらイケメンに出会えねーじゃねーかクソが!というのが本音。はははうんこうんこ

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57、「怒り」にゆれる喜び

映画 消費者 LGBT

映画「怒り」を観てきました。

www.ikari-movie.com


ある残忍な殺人事件の容疑者が、顔を変えて逃走中の日本。
東京、千葉、沖縄の3つの舞台にそれぞれ、素性の知れない謎の男性が現れます。
そんな男と近づくのは危ない、なんて明白だけど、心の葛藤を内に秘めた登場人物たちが何かに惹かれ心を通い合わせていく、という共通の道を3つの物語がたどります。

よくわからない部外者にだからこそ、さらけ出せる本当のことがある。
こんな自分を信じてくれたこと、教えてくれたこと、全てを大切にしたいと思う。

でも。もし、殺人犯だったら?
事情があって言えない過去、信じたいあの人がひた隠しにする大切なもの、それを信じてあげたい。
でも。もし、殺人を犯したという過去だったら?

大切なことを教えてくれたこの人を、本当に信じていいんだろうか。

そんな疑心暗鬼をテーマに、豪華俳優陣が極限の繊細な演技で表現する映画でした。

 

場面が交互に切り替わりながら、並列で物語が進んでいきますが、3か所の登場人物の間で接触は一切ありません。
しかし、別々の場所の別々の人の感情のゆれ動きが、ところどころリンクして進んでいくので、自然な流れがあるし、というかむしろ3つの場面が次々と展開されることで加速して、ストーリーが出来上がっていきます。
3つの映画を観たようなボリュームがありつつも、やっぱり1つの完成された作品なんだと思いました。

 

個人的には、3つの舞台の中で東京編への思い入れがやはり強いです。
妻夫木聡演じるゲイが、素性のわからない綾野剛とカラダの関係から恋人になっていく話。

これってやっぱり、現代日本の、ゲイの匿名性みたいなものが、「怒り」の物語を成立させるのにとても都合のいい装置というか、親和性が高いってことなんだよなあとしみじみ思いました。

サワライはめちゃくちゃ貞操観念が保守的なので、見ず知らずの人同士でいきなりハッテン場でセックスから入る、ってもう全然想像できないんですけど、そこまでいかなくても合コンとかアプリで出会うゲイの本名なんて、まずわからないです。自分も適当なニックネームしか言わないし。

ある意味、相手の得体が知れなくて当然なんですよね、ゲイの出会いって。少なくとも日本の現状では。

そんな緊張感のある最初の出会いから、自分のことを話して、相手のことを聞いて、って交流していくと、ちょっとでも共通項がある時にめちゃくちゃうれしいんですよ。めちゃくちゃホッとするんですよ。
そして逆に、いくらでも消えられます。アプリのメッセージが途切れてしまえば簡単に会えなくなったりもします。

風が吹けば飛ばされそうなつながりから、始めなくてはいけない。
だからこそ本物にめぐりあえたとしたら、それは尊い。
信じる力と、誠意が試されている気がします。
疑り深くて自分本位なサワライは、どう振る舞えばいいのかいまだによくわかっていません。

わからない。わからない。
わからないけど、だけどきっと、恋人ができたら。
想像がつかないほど心がゆれるんだろうなあ。
それは傷つくことかもしれないし、幸福を感じることかもしれない。
かき乱されるんだろうなあ。よくわからないけど。

 

そう、「怒り」を観ると感情が揺さぶられます。
それもとても苦しくなる揺れ方。体力が消耗する、そういう種類の感じ方。

仮に登場人物の、一見して自分とは別世界だと思うような突飛な闇に放り込まれたとして、ああ、でも自分もきっとそうせざるを得ないかもしれない、と思う。
無関係なはずの、作り物の世界であるはずの画面の中で苦しむこの人のこの感情の動きは、確かに今、自分も一緒に体験している気持ちなのだと、そう信じさせてくれる作品に、自分はたくさん触れたくて、「怒り」は本当にそういう映画だったと思います。

 

原作の小説を読んでも思ったし、今回の映画ではさらに俳優さんの最高の演技(渡辺謙の語りの目の泳ぎ方、マジですごかった)、映像美(どこを切り取っても鮮やか)、音楽(坂本龍一だったっけな?)で、世界観がさらに広がって、追体験の度合いがものすごかった。めちゃくちゃ脳内に映像がこびりついて、情報が流れ込んで、家に帰ってもゆれっぱなし。というか、普通にズーンと気分が落ちた。それくらい疲れました。それくらい、動揺しました。本当にそれって、面白いものが観れてよかったなあということだと思います。
多分もっかい観に行きます。気合い入れてまた観に行く。
ちょっと、だいぶ大げさに書いているから、ハードル上げすぎていたらすみません。
※あくまで個人の意見ですからね!

 


ていうか書きながら、「それっぽいこと書き散らかしたかったけど、彼氏いないとなんにも説得力のない、中身のない、ペラペラなことしか言えないなあ…」ということに気づいてしまって、なんかもうすいません…って文章がガス欠を起こしました。無念。


そうですね。これは、マジでイケメンのかれぴっぴ出来てから「怒り」もう一度ちゃんと観たいです。ぜったいギャン泣きしてやる。映画に感動しながら自分たちの愛を再認識するという過程を経てやる。ギャン泣きできるほど信頼関係を築いたイケメン彼氏と一緒に「怒り」観て、燃え上って流れで激しく抱き合ってやる。って結局そこかい。


てゆーか、こういう深い愛情の物語ばっかり観て変に脳内の「恋愛」の定義がどんどん厳格になっていってしまって、どんどん恋愛のハードルが高くなっていってしまうのってけっこう問題な気がします。


小説や映画ばっかみてないで、さっさとその辺の男とセックスしちまった方がよっぽど自分のためになるんじゃないか、ってまじで時々思うようになりました。

まあでもこういう思考回路って、女子中学生とか女子高生が「クラスメイトのみんなは処女を早々と喪失していてアセっちゃうよ…けど大切な人にとっておきたいし…でも白馬の王子様なんて来るわけないし。やはりとっとと処女は捨てた方がいいのか…?」っていう感じで昔からよくあることだし、30代にもなって処女って変!?みたいなドラマも前にあった気がするし、別にそういう、高齢童貞の自虐でネタにして、というありきたりなものをするつもりはありません。
ただ単純に、もうそろそろいい人みつけてえよ、ってだけです。
ただ単純に、肋骨ボキボキに折れるまで力強く抱きしめられたい、ってだけです。
それだけの話です。

 

唐突に自分語り。

では。

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