あるゲイのサワライ マモル。

社会人3年目、あてどなく東京

78、2021年、僕の私の大量消費社会

~本~
●「アンソーシャル・ディスタンス」(金原ひとみ
くらくらするくらいによかった短編小説集。コロナ禍の世間の温度感をいち早く作品に落とし込んだ表題作もすばらしかったが、なにより「ストロングゼロ」の章がよすぎた。
仕事のあいま、退勤後、眠る前、生活のすき間をストロングゼロの強いアルコールで麻痺させるのが癖になっている主人公。アルコールへの依存はエスカレートしていき、コンビニのアイスコーヒー用の氷だけ入ったプラカップストロングゼロを注げば業務中も酒が飲めるじゃん!あたし天才!と気づくところとか最高。客観的には、崩れていく過程に見えるのだけど、テンポよくユーモアが織り込まれた文章に運ばれていくのが気持ちよくてしょうがなかった。ラストのオチも含めて、最近読んだものの中でベストに面白かった。

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●「正欲」(朝井リョウ
世間に流通する耳障りのいい「多様性」という言葉に、うっとりして理解を示せた気になってしまう場面って、ありませんか??という問い直し。
そして、さらに一歩踏み込んで、逆にマイノリティ側も思考停止になって、マジョリティ側の事情なども考えずに一方的な拒絶、してない??とハッとさせられる。
二項対立に収まらない、人間を見つめる眼差しが朝井リョウ~最高~、となる大作だった。

「恋愛関係に限らず、誰か他人と暮らすことは自分の命を引き延ばす重要な機能を果たしうる」ということが提示される流れが個人的に好きだった。大好きな能町みね子さんの「結婚の奴」じゃん!!!という感動。性愛で結ばれているかどうかに関わらず、誰かに自分の性的指向や生き方の信条を開示することができ、語り合える関係性が築けたら、それは本当に尊く、意味のあることだもんね。

今ある友人関係を大切にしたいと思えた。これから先の人間関係の構築への不安も、もうちょっと肩の力を抜いて考えてもいいのかも。
不穏な底知れなさのイメージが先行する本作かもしれないけど、僕は希望をもらいました。

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●「海をあげる」(上間陽子)
作品自体は2020年出版だけど、自分は2021年6月ごろに読んで衝撃を受けたので、ここに記しておきたい。前作の、沖縄の10代・20代の女性の生活のままならなさをインタビューで追った「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」と同じ、他者の話を上間さんがまとめた本かと思っていたら違った。上間さん本人の経験に基づくエッセイ。

米軍基地の問題など、日本がすみに追いやっている問題を押し付けられている沖縄、という構図。
自分が本州で暮らす上で、メディアで取り上げられても意識のすみですぐ忘れてしまい、実感を持って捉えられていなかった問題がいくつもある。沖縄で暮らす人々は、その問題と隣り合わせでずっと暮らし続けている。ふりそそぐ軍用機の騒音も、海へ投入された土砂も、すべて、現実の人を苦しませ続けているのだと再認識した。刻み込まねば、と思った。

「海をあげる」という上間さんの言葉を、しっかりと胸に刻んで、自分も苦しみながらでも、少しずつでも、知り続ける必要があるのだ。

こないだ11月にあった「2021年ノンフィクション本大賞」での上間さんの受賞スピーチも含めて、すごかった。

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~映画~
●「ドライブ・マイ・カー」
映像の力に見入って3時間という長丁場があっという間だったから、本当にびっくりした。
ベッドで抱き合う二人の、互いに見えない顔が暗闇に埋もれ、不穏な虚無をまとうところ。
車のオープンルーフから突き出した二人の煙草のけむり。
雪道に現れる車のハッとする赤。
演劇の舞台を多言語の話者が入り乱れる形で進行するという作中劇もおもしろかった。韓国式手話を操る女性がいい。言語を超えた意思の疎通が、確かに存在すると信じられる。あと岡田将生の虚無顔。

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●「あのこは貴族」
地方と東京という題材は、ついつい色んな感情を上乗せしてしまう。
対照的な二人の女性を描きながら、共通する生きづらさ(=男性優位社会に翻弄される経験)をクロスさせ、完全な共感には至らないまでも、お互いの存在を尊重し、肯定し合えるという優しい世界が提示されていてよかった。
恋愛をゴールとしない姿勢はもちろんだし、「恋愛を中心に考え一人の男を取り合って女同士が分断させられる従来にありがちな構図」、を明確に拒否する宣言があったのもよかった。

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●「パーフェクト・ケア」
資産のある老人をターゲットに、巧みに施設に入所させて親族も近づけないよう司法から手を回し、本人の預かり知らぬところで家や家財道具を売り捌いたり手数料をせしめて儲ける悪徳・後見人ビジネス。
認知症の兆候を、グルになる医師に大げさに診断させて、州の裁判所命令により本人の有無を言わさずに施設に閉じ込めていく手法が鮮やかすぎて恐ろしかった。
悪事に手を染めて大金を稼ぎ、強欲なアメリカンドリームを叶えるのは、女であったっていい。オーシャンズ8に通じる痛快さがあった。

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~ドラマ~
●「大豆田とわ子と三人の元夫」(Netflixでも観られる)
坂元裕二脚本の最強おしゃれ令和トレンディードラマ。
絵もきれいだし、音楽もオシャだし、会話がおもろいし、理屈っぽい人間とか、生きづらそうにしている人間を肯定してくれる感が心地いいんですよ~、と整体のアニメ好きなお兄さんに説明したところ、「へぇ~」と言ってまったく響いていない様子だったのもいい思い出。
松たか子を好きなお友達が、調べ学習をして解説してくれたエピも含めてベスト。
坂本裕二さんは、松たか子のデビュー・シングル「明日、春が来たら」の作詞を手掛けていたという事実を知り、驚いた。ヤマザキパンといい、キムタクとの共演歴といい、松たか子は継続的なパートナーシップに秀でた人物である、とのこと。

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●「ボーイフレンド」(Netflix、アマプラとも配信あり)
2019年とかの韓国ドラマなのだけど、私の2021年1月~3月は完全にこの「ボーイフレンド」に支えられた。求職活動に疲れた心を主演のイケメン韓流スター、パク・ボゴムさんにどれだけ癒やしてもらったか。おかげさまで4月から新しい仕事を始めることができ、この年末現在で続いております。
政治や財閥のしがらみに心を閉ざし気味だった女社長。キューバの旅先で出会った、互いに身元も知らない青年と韓国に戻って運命の再会を果たしたと思ったら、自分の会社の新入社員だった!?若い彼が、財閥を恐れずにガンガンアプローチしてくる夢のシチュエーションを、がっつり楽しませていただきました。
夏に日本公開された映画「SEOBOK/ソボク」のパク・ボゴム×コン・ユ共演もよかった。

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●「Dead to Me」(Netflix配信)
お友達に教えてもらった「負けへんで」サスペンスドラマ。ジェーン・スー堀井美香の「OVER THE SUN」というPodcast番組は2020年からずっとハマって聞いているのだけど、どうにも中年女性2人コンビはおもしろい。昔好きだった「デスパレートな妻たち」っぽさもあり、よかった。シーズン3の配信が待たれる。

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~音楽~
●藤井風「きらり」
天性の才能が輝く歌声の人は、しゃべり声がぼそぼそと岡山弁で・・・と、選ばれし者感が強すぎる。興味が尽きない、藤井風って。「きらり」はさわやかで好きだった。

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●山崎育三郎「僕のヒロインになってくれませんか? feat.3時のヒロイン
我らがミュージカルスター・いくさぶが3時のヒロインとコラボされているのを年末のFNS歌謡祭で見つけて、見入ってしまった。古きよきアメリカンなテイストと、3時のヒロインの雰囲気が最強にマッチしており、とてもよい。

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●ゆっきゅん「DIVA ME」
「止めないで自我」とか「選択肢増やせ 白湯もDIVA」とか「急な代引きは払えない」とか、ことごとくいい。
本当に、こういうDIVA的発露を無意識のうちにあきらめてきた男の子たちがこの日本、この世界にどれだけいたことだろう。自分を含めて。それって、とてつもない機会の損失だったと思う。
それだけ、2021年にゆっきゅんが発信するDIVAの意義があるってもんだし、こうやって輝きを放てるに至る逸材という貴重さに圧倒される。ジュエルだ。今後、注目していきたい。

youtu.be

 

~配信~
●IZ*ONE解散コンサート「IZ*ONE ONLINE CONCERT [ONE, THE STORY] 」
ひそかに2020年の年末からIZ*ONEに激ハマりしていたのだけど、もともとのデビュー時の活動期限により、2021/3/14の配信ライブを最後に解散とのことで、残念だった。コロナ禍の影響で、後半だいぶ活動が制限されることにもなっていたので、そこも特に。
「Panorama」という曲が本当によくて、これにも求職活動を支えてもらった。チェ・イェナがかっこいい。というか12人全員いい。かっこいい。

youtu.be


●「漠とした3名」
エッセイスト・能町みね子、コラムニスト・ジェーン・スー、ブロガー・phaの三人によるトークイベントが、とてもおもしろかった。書く仕事をする三人の、三者三様の生き方とものの考え方。言葉を尽くして、どうなんだろうね、と知恵を出し合う様子がいい。定期イベントになっていくようなので、今後も三人の語りを追っていきたい。

youtu.be


●「バラ色会議 第28夜~読書の秋!タレント本ナイト~」(@オンライン配信)
前述のゆっきゅんと、小説家でハロオタの柚木麻子さんとのトークイベントが二人ともフルスロットルでめっちゃおもしろかった。
女性タレントのライフスタイルフォトブックは以前から、朝井リョウさんがラジオで語っておられて気になる存在だった。その素敵なラインナップを、ゆっきゅんと柚木さんが深い愛情で語っていて、とてもおもしろかった。
柚木さんが、「一見家父長制と相性が良さそうな、明るくて元気な女性タレントが、芸能人の男性と結婚して幸せな家庭を築く。女の子たちのあこがれ!と出版社が祭り上げてきたそんな女性タレントたちは、その後、離婚したり自分のビジネスで成功したりして個人で名前を上げて、結果として家父長制のクラッシャーとなっていきがち」という考察をしていて面白かった。そこが魅力なのか!と。
木下優樹菜益若つばさ、などの話。最高。
あいのりの桃の話も出ていてよかった。マシュー南も出てきて最高。
ともさかりえは19歳になりたい。

rooftop1976.com

 

~展示~
●「ルール?展」(@21_21 DESIGN SIGHT)
ディレクターチームにアーティストだけでなく法学者の方が名前を連ねていたりする展示会で、生活の中には意識していないルールがいくつも存在しているよね、人間は無意識のうちにこんなにもたくさんのルールに基づいて動いているんだね、という発見ができる作りになっていて、おもしろかった。

遠藤麻衣さんの「アイアム・ノット・フェミニスト!2017/2021」という作品がよかった。
ゲイのカメラマンの森栄喜さんとの対話から生まれたという展示。同性婚の実現さえ全然できていない日本の情けない現状をふまえて、性愛関係でない、友情に基づいた婚姻契約書を遠藤さんと森さんが書いた紙が展示されていた。よその家族に、関係のない人が一緒に映り込んで家族写真を撮る、みたいな森さんの作品を以前から知っていたので、思わぬ出会いに胸が熱くなった。これも完全に能町みね子の「結婚の奴」じゃん!と思って、嬉しくなった。
「結婚の奴」式の性愛によらないパートナー探しのマッチングアプリが近い将来登場するはず、という大胆予想をする。けっこうおもしろいと思う。

www.2121designsight.jp


●「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ―モネ、ルノワールゴッホ、ゴーガン」(@三菱一号館美術館
わかりやすく海外の名画!と味わえる印象派のぼんやりした絵は、遠目から見た方が全体像が把握しやすい。会場は予約制にも関わらずけっこう混んでいたけど、人の列の後ろからささっとカジュアルに軽率に楽しんできた。年の瀬は、三菱一号館美術館の展示を楽しんで適当にご飯屋さんで一人打ち上げする、みたいなのが恒例行事になってきている。
有名どころの画家の絵もよかったけど、レッサー・ユリィという人の「風景」、「夜のポツダム広場」という絵がとてつもなくよかった。なんだか見入ってしまった。好き。

mimt.jp

 

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2021年もコロナ禍て、どないなっとんねん!という猛烈ツッコミを5万回していましたが、なんやかんやでコンテンツを摂取して乗り切りました。
紅白を満喫して、2022年に突入する所存!!!!

77、2020年、僕の私の大量消費社会

~本~
●推し、燃ゆ(宇佐見りん)
「推し」への想いを、肉体的な感覚レベルで描写する鮮明さがすばらしかった。

www.kawade.co.jp

●大都会の愛し方(パク・サンヨン著、オ・ヨンア翻訳)
韓国におけるゲイの視点で人生を、軽く、ユーモラスに、切実に描かれるのがいい。

www.akishobo.com

●ババヤガの夜(王谷晶)
復讐などではなく、純粋に暴力を好む女性主人公を描くという画期的作品。おもろかった。

www.kawade.co.jp

 

~映画~
●マティアス&マキシム
才能の塊のような監督への嫉妬が止まらないすばらしい作品。

phantom-film.com

●スパイの妻
蒼井優高橋一生が永遠にいい。「不正義の上に成り立つ幸福は欲しない」高橋一生。。。東出の気味悪さもすばらしかった。。。

wos.bitters.co.jp

●燃ゆる女の肖像
美しく、シンプルに。女の情愛もそうだし、女同士の連帯をとても丁寧に掬い取っていた。

gaga.ne.jp

 

~ドラマ~
●愛の不時着
味付け濃いめの韓国ドラマにハマり続けた2020年だった。38度線を超える運命の力には抗えない!

www.youtube.com

●MIU404
世相を切り取る信頼の脚本。こんなバディの描き方されたらたまんないよ。。。

www.youtube.com

●スタートアップ
圧倒的第1話力。ハルモニの物語加速させ力。見ると自分もファイティン!したくなる。

www.youtube.com

 

~音楽~
BTS「Dynamite」
圧倒的ごきげんソング。BTSメンバーを識別できるようになった2020年。

www.youtube.com

●米津玄師「感電」
MIU404のおしゃソング。米津はかゆいところに手を伸ばしてくる。

www.youtube.com

●NiziU「Baby I’m a star」
ももっともっと光るよ!とか、Why? ‘cause baby I’m a star!とか、絶妙なリズムの歌詞を口に出して叫びたくなる中毒性があった。会話はぜんぶNiziUの歌詞で返事したい。来年こそはエネルギッシュなリスになりたい。

www.youtube.com

 

~舞台~
フラッシュダンス(@日本青年館ホール)
愛希れいか様のスター性!Dream Shizukaの活躍!

flashdancethemusical-jp.com

●ONCE UPON A TIME IN AMERICA(@宝塚大劇場雪組公演)
宝塚はひたすら景気がいい気分にさせてくれるのでいい。トップのお二人の姿と歌を拝めてよかった。

kageki.hankyu.co.jp

ジャニーズWEST LIVE TOUR 2020 「W trouble」(@オンライン配信)
本来ならドームコンサートに連れて行ってもらいたかったが。。。いつか生で拝みたい。ただ、オンラインのおかげでいろいろと気軽に楽しめたのがよかった2020年。

online.johnnys-net.jp

 

~展示~
●性差(ジェンダー)の日本史(@国立歴史民俗博物館
日本のジェンダーギャップやばやばな現状は、社会的に構築されていったものだとわかる圧倒的な展示量。すごかった。

bijutsutecho.com

●生命の庭(@庭園美術館
青木美歌さんという方の「あなたと私の間に」というガラスの球体を使った展示がすばらしかった。暗闇の中、ガラスのオブジェだけに光が差してキラキラ浮かび上がるという展示があり、贅沢すぎて、すばらしすぎた。

www.teien-art-museum.ne.jp

●京都の美術 250年の夢(@京都市京セラ美術館)
京都。。。

kyotocity-kyocera.museum

 

 

 

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ボロは着てても心は錦!

76、2019年、僕の私の大量消費社会

2019年も……息をしていた……

エンタメを……糧に……

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~本~
●むらさきのスカートの女(今村夏子)
今村夏子は最高。発露する視点人物の狂気がたまらん。

publications.asahi.com

●生命式(村田沙耶香
村田沙耶香は最高。どの短編もシンプルにエッセンスが凝縮されてて気持ちいい。「孵化」の中身と、孵化というタイトルを持ってくるところやばい最高。

www.kawade.co.jp

●どうしても生きてる(朝井リョウ
朝井リョウは最高。同年代の社会が、現実が、解像度高く切り取られる信頼感。最後の短編「籤」に打ちのめされた。

www.gentosha.co.jp

●結婚の奴(能町みね子
能町さんの最高の奴。能町さんの文章好きすぎる。

www.heibonsha.co.jp

 


~映画~
●ひとよ
出てた役者みんな好き。話も描写も言葉もすべてよかった。

hitoyo-movie.jp

●よこがお
ひとよでもよかった筒井真理子が最高ってことなのかもしれない。

yokogao-movie.jp

●少年たち
ジャニオタの友人に誘っていただいたジュニアのトンチキ映画。演出、ストーリー、セリフ、何から何までぶっとびすぎてて混乱してるうちに全身に麻薬が駆けめぐってしまった感じ。本能的に危ないと、これまでずっとある意味近づかないようにしていたジャニーズに、どハマりしてしまった2019年、最高でした。

shonentachi-movie.jp

 


~ドラマ~
きのう何食べた?
西島秀俊ー!ご飯おいしそうすぎるし、なにより生活、はあ、最高。

www.tv-tokyo.co.jp

パーフェクトワールド
少年たちでハマったジャニーズJr.内グループSixTONES松村北斗さんがめちゃくちゃいい演技をしていて友人たちと実況するなど。ほくぴーは肌が綺麗すぎてもはや肌がないレベル。そうこうするうちにSixTONESも来年デビューが決定でぶちあがり。

www.ktv.jp

●これは経費で落ちません
めちゃくちゃ面白くてよいドラマだった。第一話のゲストが藤原紀香で、空間デザイナー「曽根崎ミレイ」という役名の藤原紀香みたいな役をやる時点で最高だった。ジャニーズWESTの重岡くんの最高すぎる普通さ。堅物から変わっていく多部ちゃん。よすぎた。

www.nhk.or.jp


~音楽~
サカナクション「ナイロンの糸」
風呂に浸かりながら聴くといい。

www.youtube.com

ジャニーズWEST「Big Shot!!」
ジュニアのトンチキ映画というまさかの入口から、結局ジャニーズWESTに落ち着き関西弁の男が好きなのかもしれないという結論。いやでもWESTは歌もダンスも、パフォーマンスがよくて、笑いをとりに行く姿勢とのギャップというか二面性がこれまたたまらなくて…というレベルには好き。

www.johnnys-net.jp

●PRODUCE 101 JAPAN「ツカメ〜It's Coming〜」
男性アイドルとしてのデビューをかけたオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」もライトに視聴。あの、結局毎週動画を全部観ましたけど、投票とかは別に、全然してないんで。全然……
ASAYAN世代としてね、オーディション番組はね……たまらんよね……
この曲の「ヒーローになりたくて
強さも願ったあの日の気持ち
忘れられるわけないよ
可能性があるのなら」の部分、夢を追うオーディションの曲としてよすぎるだろ。

www.youtube.com


~舞台~
●キンキーブーツ
もう突き抜けて好きなミュージカル。また観れてよかった。エンパワメントされまくり。なりたい自分にJust be!!

www.youtube.com

友近・ゆりあんライブ ブルース・シスターズ〜変な先輩と変な後輩〜
YouTubeの「チルテレ」もそうだけど、二人が即興で永遠ふざけあい続けるのが好きすぎる。

www.youtube.com

エリザベート
去年のブログ見返して、あれエリザベート去年だったっけ?と思ったら2018年は宝塚で、2019年は東宝だ、そうだそうだ。
ついに伝説の花總まり様のエリザベートが拝めて感無量。ここにきてパフォーマンスのピークを更新し続けてるのまじですごすぎる。ちゃぴ様の外部でのエリザベートも観れたし、ルドルフ役の京本くんをSixTONESのきょもとして認識する日がまさか来るとは……ジャニーズを履修することによってこの世界の解像度は急速に鮮やかになります。

www.youtube.com


~展示~
●世紀末ウィーンのグラフィック デザイン、そして生活の刷新にむけて
(@京都国立近代美術館
京都でなにげなく立ち寄った展示がげきよかった。デザインがかわいすぎた。京都の美術館もな〜、住んでるうちにもっと通えばよかったと後悔。

www.momak.go.jp

●ミイラ「永遠の命」を求めて
(@国立科学博物館
オリコンの「興味津々だけど怖くてなかなか知ろうとしたくない概念ランキング」ベスト3に毎年必ずランクインする「死」ですが、ミイラという乾ききった物体になると、すごくいい距離感で観察できることがわかって面白かった。

www.tbs.co.jp

●コートールド美術館展 魅惑の印象派
(@東京都美術館
ぼんやりとしたきれいな色使いの印象派の絵はかわいくて好きです。
マネの「フォリー=ベルジェールのバー」が観れてめちゃよかった。
女性の浮かない表情の意味もわかると、ぐっと見え方が変わったりして。最高。

www.tobikan.jp

 

 

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がんばってムッツリ小説書いてます。

紅白のきよし楽しみすぎる。

2020年も、よろ。

75、2018年、僕の私の大量消費社会

大人気連載シリーズの更新です。

2018年も良質なエンタメを摂取できて、満足でした!

もう色々と書く余裕がないので各分野ベスト3のメモ!

ヒヤウィゴー!

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~本~

●82年生まれ、キム・ジヨン(チョ・ナムジュ)

最大の衝撃。日本の現実とのリンク

www.chikumashobo.co.jp

●偽姉妹(山崎ナオコーラ
新しい共生の形

偽姉妹|単行本|中央公論新社

 

●国宝(吉田修一
贅沢な文体で綴られる梨園の世界

publications.asahi.com

 

 

~映画~

オーシャンズ8

集結する最高の女たち

wwws.warnerbros.co.jp

君の名前で僕を呼んで
美しい夏の記憶。共鳴する天才。普通にめっちゃ興奮した

cmbyn-movie.jp

●アイ・フィール・プリティ
自信を持つことの効能ときらめき

ifeelpretty.jp

 

 

~ドラマ~

●隣の家族は青く見える
ひたすらにさくちゃんになりたかった

www.fujitv.co.jp

●アンナチュラ
不条理を救う、淡々とした仕事観

www.tbs.co.jp

●獣になれない私たち
最終回に向かって、個人的にどんどんリンクして仕事がやめたくなった笑

www.ntv.co.jp


義母ムスが次点!

 

 

~音楽~

●Lemon(米津玄師)
アンナチュラルの主題歌!なぜか深夜に熱唱するなどした

www.youtube.com


●U.S.A.(DA PUMP
有無を言わさぬ高揚感

www.youtube.com


●まっしろ(ビッケブランカ
けもなれの主題歌!綺麗な高音!
注目のグループ!

www.youtube.com

 

 

~舞台~

エリザベート宝塚歌劇月組@東京宝塚大劇場
最高ミュ、エリザベート!あらゆる手を尽くして拝めてよかった…
瞬間的に退団する愛希れいかさんのとりこに

www.youtube.com

マリー・アントワネット(@帝国劇場)
花總様の圧倒的王妃感とソニン様の最強熱唱!

www.youtube.com

●酒と涙とジキルとハイド
ドタバタ喜劇!優香のふりきれ具合に感激

www.youtube.com

 

2016年も拝んだ最強ミュ「1789」も今年はいっぱい観れて大満足…。

 

 

~展示~

●ミラクエッシャー展(@上野の森美術館
だまし絵の世界に取り込まれそうになった。でんぐりでんぐり。

www.escher.jp

エリオット・アーウィットの世界展(@何必館京都現代美術館
白黒オシャ写真!

bijutsutecho.com

●AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展(@21_21 DESIGN SIGHT)
映像と音声と空間の融合
ずっとぼーっとしていたかった

www.2121designsight.jp


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過去のものは以下から

 

sawaraimamoru.hatenablog.com

sawaraimamoru.hatenablog.com

 

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こんなに消費してんだから、アウトプットしたい。

がんばる。

とりま紅白はU.S.A.のダンス全力でがんばる。

2019年も、よろ。

74、 難読駅名おばあちゃん

嘘の多い人生を送ってきました。


「彼女いないの?」とか「どういう女の子がタイプ?」などと訊かれると、女性が恋愛対象でないので返事に困ります。
そして、なんだか謎に、「交際経験がないツマンナイヤツ」と思われたくないプライドも併せ持っているので、
「ちょっと前に別れたとこなんだよね」とか
「なんだかんだで結局石原さとみかな!」などと
口から出任せを吐く。

ゲイであることをずっと隠してきました。

理性の強い、マジメで優しい少年時代だったものですから、
「男と女が結婚して、子どもを作って、シアワセな家族になる」
というゴール設定が、なんとなく絶対っぽいな~こうならなきゃな~と思い込んでいたことが大きな理由だと思います。


会社とか、マジでやばいです。
結婚をゴールに据えてる感MAX。
もうすぐ平成終わるんじゃなかったの?旧石器時代ですか?みたいな。

まあ実体験としての観測範囲が、新卒から3年ほど勤めているメーカーの男ばかりの開発の職場だから、というのもあるかもしれません。
それにしたって風俗の武勇伝とか合コンで出会った女の子の悪口とかを、コミュニケーションツールにされても本当に困るし、ていうかもう嘘をつくのがイヤになりました。

優秀なスパイ、とかではまったくないので、自分が言った嘘がこの先不自然にならないかを気にしたり、何気なく言った偽りの設定を記憶して一貫性を保ったりすることは、けっこう難しいし本当に疲れるし、むなしいです。

 

3年前の、就職して上京した夏、頭が爆発しそうでした。

家族にはもちろん言ったことがないし、友達にも言ったことがありませんでした。
相談相手がいない状況で、これから何十年と働き続けられるだろうか。
押し寄せる不安。
そんな中で命からがらたどり着いた1週間の夏休み。
現実逃避だ。自分探しだ。北へ一人旅をしました。

sawaraimamoru.hatenablog.com


一応観光地を調べて行きましたが、それほど旅程をつめこまず、疲れたら街のショッピングモールのフードコートで休憩したりするなど、徹底的にゆるやかさを心がけました。
ぼ~っと、聞き慣れない方言に耳を傾けながら、「ここにいる人たちにとったら自分は全く無関係で、とるに足らない存在なんだな~」と思うと、なんだか開放感がありました。
行ったことのない遠く離れた土地にも、たくさんの人が暮らしているんだなあ、という当たり前のことが、何気に発見でした。


旅の最後の日、海沿いを走る列車に乗りました。
海岸線を切り取る車窓は開け放たれ、ディーゼルエンジンの爆音とともに心地よい風が流れ込みます。
たまにとまる無人駅の駅名はどれも難読で、いちいち面白い。
ひときわ難しい漢字の連なる駅で乗ってきたおばあちゃんが席の近くに来たので、リュックをどけてスペースをあけました。
「東京から来たのか?」という旨のことを方言で話しかけられたと思います。
え、なにこれ、ドラマの一人旅のシーンっぽすぎる!と興奮しました。
同時に、知らない人とのコミュニケーション、苦手すぎるので、正直もう緊張でなんかよく覚えていません。笑
一人旅プレイの感が最高潮に達した瞬間だったことは確かです。


誰かに、相談してみよう。ダメかもしれないけど、話してみたら何か変わるかもしれない。
自分探しという目標は、そんなおいそれと叶うものではもちろんありませんでしたが、何かぼんやりとした、「大丈夫かも?」というわずかなゆとりが持てた旅でした。

振り返ると、この旅がけっこう転機だったように感じます。

 

その夏休み明けの技術の研修で知り合った、社内の別部署の先輩となんやかんやで仲良くなり、なんやかんやでカミングアウトし、色々と話を聞いてもらえる関係になりました。

sawaraimamoru.hatenablog.com


また、それから少しして、大学時代の友達の上京組メンバーで飲み会があった時に、思い切って事情を話してみました。
「ちょっと色々悩む時もあるから、たまにこうやって会って話を聞いてもらえないかな?」と。
すると、「なに水くせえこと言ってんでぇい、このスットコドッコイ!!これからもズッ友だよっ!!!」というようなニュアンスのことをみんなで言ってくれて迎えてくれて、なんなら新宿勤めの友人が行ったことのある二丁目のゲイバーにみんなで流れ込む、というなんともコペルニクス的転回となりました。

sawaraimamoru.hatenablog.com

 

以来、普段の職場でため込む愚痴や、嘘をついた虚無感などをたまに人に聞いてもらう、という習慣ができました。
あと、書くブログの愚痴っぽさも増した気がします。笑
そうやってガス抜きができるようになってどうにかこうにか、頭も爆発せずにすみまして、社会人生活を3年ほど送らせていただいておる次第です。


「ひと様にはとてもじゃあないけど、言えやしないよ~!」という自分のモヤモヤのことを、ひっそり知っていてくれる人がいるのって、とても心強いです。

たいそうな悩みごとも、他人の視点で見ると些細なことだと思いなおせるかもしれないし、何かムカついた時に、ヨッシャここは今度みんなに面白おかしく話して茶化してやるぞ、と踏ん張れるかもしれない。
何かしらの駆け込み寺があると、余裕が生まれるなあと思います。

 

ちなみに、働く職場の身近すぎる人や、家族なんかに自分のセクシャリティーを公表することは、今でも到底考えられませんし、だれかれ構わずカミングアウトすることが正解なのかはよくわかりません。

今でもどうしても嘘、バンバンついてしまいます。ごめんなさい。
防衛本能というか、脊髄反射というか、脳みそを経由せずに発動してしまう時がどうしてもあるんです。


でもこれってセクシャリティーとかに限った話じゃないかもしれません。
一緒に働く人には言えないことって、色々くさるほどありませんか?
そういうことって、別のコミュニティーで発散したり、ツイッターやブログに垂れ流してみたりして、なんやかんやで成仏させていったらいいんじゃないかな~。要はバランスが取れたらいいんだと思います。

特にブログに愚痴を書くことの効能、とても感じているここ数年。
ムカついた出来事を、自分なりに滑稽に表現できた時や、悲しかったことの何がイヤだったのかを書いている最中に客観的にとらえて腑に落ちる時、ブログは武器だと感じます。

 

社会が、色んなものに対してもうちょっと、寛容になってくれるのを待っています。

その間、嘘をつくことをお許しください。
友達と、悪口を楽しむことをお許しください。
ネットに、悪意を放つことをお許しください。

母なるインターネットの海は、さほど汚染されることもなく、
きっと今日も、ふところが深い。

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73、転職はノアの箱舟か

〜前回までのあらすじ〜
どうやら会社のある同期が転職するらしいという情報を手に入れたおれたち少年探偵団は、東京郊外の飲み屋で送別会を決行する運びとなった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


普段昼食をともにする同部署のパリピな同期グループAではなく、たま〜に集まってはしっぽり飲む落ち着き同期グループBでの、初めての退職者ということで、急いでちょっとしたプレゼントなども用意して、わりとガッチリ送り出すことができました。


新卒で今の会社に入ってもうすぐ3年、そりゃ別の道に進む人も出てきます。
それぞれの道を尊重して、温かく背中を押したいよね…
でもサワライはといえば、
「なんでやめちゃうんだよ〜!抜け駆けズルイ〜!(泣)」
なんて言ってタラタラ文句を垂れてしまって、からみ酒、といった感じでした。よくないね。

別に自分に転職したい願望があるかっていうと、まったくないし、むしろまたあんな自己アピールとかしなきゃならないのかと思うとダルいとしか思わないし、普段「転職」の文字が頭から抜け落ちているサワライです。

でも、いざ、身近な人が突然、「ごめんちょっと今から新天地に羽ばたくわ」とか言い出したら、たよりない終身雇用神話や、東京以外の勤務地に飛ばされる可能性なんかのイメージが急激に鮮明になり、不安に駆られるというもんです。滅びゆく世界から脱出するノアの箱舟に乗れずに、愚かにも洪水にのみこまれる自分を想像してしまう…。

多分、おとなしい彼に自分を重ねて、勝手に「会社だるいけど、がんばろーね」と一方的な共感を持って安心していたんだと思います。
それがいつのまにかちゃっかり転職を決め(しかも公務員らしい!)、有休消化に入ってもう来週には引っ越すから、とか言い出したから、ちょっと待てええ!説明責任!!飲み会やるぞ!!!(泣)という流れでした。
逆うらみ?とはまたちょっと違うか笑

でもま、みんなになだめられながら、本人の口からやめる経緯とか聞けたし、自分が言葉にはしないけど漠然と感じていたモヤモヤも話したりして、スッキリできたのでよかったです。
プレゼントも無事に渡して、お互いの健闘を祈りつつの解散。良い飲み会でした。

 

今の会社が良いか、転職するのが良いか。
それは本当に個人の事情によるし、タイミングもあるし、ケースバイケースでしかないし、明確な答えはきっと出ないんだと思います。

大事なことは、定期的に、少しずつでもいいから自分の働き方・暮らし方を考えて、情報を常にアップデートしていくことじゃないかな。
ネットの海を泳いだり、ブログを書いたり、誰かとしゃべったり、できるだけ広い視点で考えられると、なんだか良さげですよね。


自分は今のところ、下記4点が仕事をする上で大事だなと思っているみたいです。

①月数度の舞台観劇や浪費をまかなえるレベルの収入
②東京勤務
③進化が止まらない技術の世界で食いっぱぐれないスキル
④同僚のジェンダー

③に関しては、3年働いてみて、自分なりにスキルを身につけたつもりだけど、まだまだ圧倒的にスキル不足だし、そもそも社会が求める技術者のあり方自体が変化している中で、どうやって生き残っていけばいいんだという感じで、なかなかわからないです。

④に関しては、普段仕事する上ではあまり気にならなくなってきたけど、折に触れてクソみたいだなと思う時あるし、かといってまあこれも人によるところあるし、どこまで他人に求めるべきなのかもわからないです。

「わからないです」ばっかりだなこの野郎!ま、それだけ難しい問題だってことにしておいてもらえませんか今日のところは?
もうほんとただただゴロゴロ寝っ転がっていたいよね…。


今はまだ大丈夫っぽいけど、勤務地が東京じゃなくなるってなった時、本気出して転職考えると思うな。東京で観たい舞台、たくさんあるもん。楽しいもん。

 

人はみな誰しも、暮らしを脅かすそれぞれの未来の「洪水」に不安を抱く。
そんないつかのために、自分オリジナルの箱舟を用意しておくことが必要なのかもしれない。
「うわっ…私の箱舟、弱すぎっ…!?」
そんなふうに、ならないように。

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72、隣の芝生は限りなく透明に近いブルー

木曜ドラマ「隣の家族は青く見える」最高でした。
今期のドラマの中で、サワライいちおしです。

www.fujitv.co.jp


深田恭子さんと松山ケンイチさん演じる30代の夫婦が、コーポラティブハウスと呼ばれる戸建てとマンションの中間みたいな集合住宅に住み始めるのが第1話。
その隣人にゲイカップルが登場する、という前情報を仕入れていたサワライは、テレビの前で正座待機して初回を迎えました。もちろん録画予約もバッチリです。

 

異性愛テーマばかりだった前時代から、徐々にドラマでもLGBTを取り扱う作品が登場し始め、悲しみ・苦しみを伴う感動エピソードで世間に印象づける時代を経て、ここ数年、いよいよ「普通の人」としてLGBTのキャラクターが扱われる時代になったんだなあと感慨深いです。


サワライは、小学生の時に観た金八先生の、性同一性障害の生徒を演じた上戸彩さんの印象が強いです。
あれは世間に絶大なインパクトを残したんじゃないかと思います。当時言葉としてはなかったにせよLGBTみたいな概念が広まり出した時代だったと思います。たぶん2000年代初頭。
それと同時に、サワライの思春期の不安にも大きく影響を及ぼしていたと思います。
少し悲壮感が強すぎた。
「こうなることは怖い」という漠然としたイメージを持った気がします。
なにか悲しい過去とひもづいた「特殊な登場人物」として出す作品が多かったように思います。


そこから2010年代あたりまで来て、佐藤隆太に同居人の綾野剛が自然に片思いしている「クレオパトラな女たち(2012)」とか、天海祐希とゲイの沢村一樹偽装結婚したりレズビアン内田有紀が出たりする「偽装の夫婦(2015)」とか、どんどんバリエーションが提示されるようになってきて、共感するしないに関わらず作品を楽しめるようになってきたことが、本当に嬉しかった覚えがあります。
逃げるは恥だが役に立つ(2016)」での、序盤から普通に登場していた脇役の男性キャラが終盤にサラッとゲイだと判明する流れとか、本当にカジュアルで自然で、めちゃくちゃ感動しました。

 

そしてついに、この「隣の家族は青く見える」ですよ。
集合住宅に住む4世帯のメインキャラの中に、ゲイカップルが登場するなんて!
海外ドラマの「デスパレートな妻たち」には途中から準レギュラー的にゲイカップルが登場するんですが、ついに日本のドラマで!感慨深い!


第1話では、コーポラティブハウスという集合住宅のデザイン打ち合わせ段階から始まったのですが、眞島秀和さん演じる建築士が自分もあくまで一人で住むつもりで進める中で、「いい歳なんだから、将来のこと考えてる?」という上司や、「困ったら私が結婚してあげようか?」という同僚女性に苦笑いするシーンがあり、同性愛者であることが暗示されます。
そして飲み屋で「別れた恋人の結婚式だった」と酒に溺れる年下の北村匠海さんと出会い、「相手の女の顔が見てやりたかったんだ・・・」とか言い出して、え、それってまさか、そういうこと・・・?と困惑する眞島さん。

そう、他の3組のカップルよりもめちゃくちゃ丁寧に2人の出会いが描かれていたのです。
仕事ができて、周囲を気にして温和に笑う年上と、奔放で出会い頭に「わたるんって、呼んでいい?」と上目遣いをかます小悪魔年下、うわあーーー!!最高!!

サワライは早速、甘え上手な北村匠海さんに自分を投影して、「こんなふうに年上に甘えたい!!!でも絶対こんな上目遣いとかできないんですけど!!!!てかこんな都合のいい出会いとかないんですけど!!???」などと感情が一気にあふれ出して、ひたすらもだえました。

ありえない設定、おおいにけっこう。だってドラマだもん!
「ありえね~」って思いながら、ブーブー文句言いながら、めっちゃあこがれるっていう、世間で一般的な王道な楽しみ方ができている。
ありえるレベルの「ありえない」が、そこにはありました。こういうの待ってたんだ。
こんな画期的なドラマが平日の22時に普通に放送されている・・・。
2018年、すごい。

 

ちなみに「隣の家族は青く見える」の読み筋としては、不妊治療に取り組む深キョンと松ケン夫婦のやりとりがメインなのですが、深キョンの神々しいほどの美しさは言うまでもないものの、不妊に対する男女の意識の差が浮き彫りになったりと清々しいほどの現実路線。
他の女性陣も、子ども至上主義の見栄っ張りな奥様と、バツイチ男性と結婚した子ナシ希望の女性が対立しており、火花バチバチ。

つまり、このドラマのヒロイン要素を、奔放な小悪魔系ゲイ男子・北村匠海さんが一手に引き受けており、とても画期的な構造だと思いました。
どうも年上の眞島さん側は隣人たちに隠したい様子ですが、アパートを解約したという北村さんがコーポラティブハウスに転がり込んできて、今後の展開が楽しみすぎます。

 


そうそう、ついついオマケ的に書いてしまいましたが、本筋の深キョンと松ケン夫婦の不妊治療に関する丁寧さ、めちゃくちゃよかったんです。
夫婦で訪れたレディースクリニックで「1年避妊をせずに妊娠しないということは、検査するまでもなく不妊と呼べます」ということを医者が通知する。
それでも「今はまだいいんじゃないか」とイマイチ自分事ととらえていないような夫に対して、かすかに不安になる妻、みたいな描写とか・・・!
すごく踏み込んでいる、と思いました。
「母ではなくて、親になる」という子育てエッセイを読んだ時も思ったのですが、不妊にまつわる情報ってデリケートな性質も手伝って世間にあまり浸透していないんですよね。
意識的に情報を得るようにしたいなと思います。まあ自分の身にふりかかる事象ではないっちゃないのかもしれないけど、知っていたいし、理解したいなと思います。


それと、夫の職場の後輩キャラとして須賀健太さんが登場するのですが、軽く「不妊治療することになってさ~」と愚痴り出した松ケンに対して、「え、こんなことも知らないんですか!?」みたいな感じでアドバイザー的な能力を発揮し、松ケンも徐々に考えを変えていき、協力する方向に!

そう、単純に男女の対立に仕立てて男を悪者として描くわけでなく、松ケンにも愛しくなる要素がちゃんと描写され、「うん、好きになるよね~」という描き方がされていて、よかった。

それにしても須賀健太さんの役、独身だけど精子数の検査をしたことがあったり、それを今ドキの常識というような温度感でサラっと松ケンに言ったりと尋常ではないレベルで意識が高くて、本当にこんな20代ストレート男性とかいるのか??と疑いつつも、いや実在する・しないにせよドラマでしっかりと描かれることは希望だな~と思いました。

自分の職場でああいうふうに先輩が不妊の愚痴を誰か後輩に言う場面を想像すると、同調圧力も働いて「うげ~」とかいう流れになりそうかなという答えに行き着いてしまいますが、もしかしたら世間の男性の意識は実はもっと先進的で、自分のストレートの男性に対する偏見が古くさいだけなのかな?とも思いました。
いや、実際の男性は松ケン的な当事者意識の低い感じが多いんじゃないかな~・・・

いずれにしても、意識の高い後輩キャラがハッキリと先輩の認識を正すところ、とてもよかった。面白いドラマの中で、社会問題を取り巻く正しい規範がサラッと提示されるの、とても意義深いと思いました。

 


集合住宅に住む「子どもが欲しいカップル」、「子どもが欲しくない女性とバツイチ男性のカップル」、「子どもと理想の家族像に執着する主婦と会社を辞めてしまった夫のカップル」、「男性同士のカップル」という4組の今後の展開が、気になりすぎて楽しみすぎる!!!!
楽しみなドラマができると、仕事もまあ、がんばってやるか~という気になるので、サワライの生命線です。

個人的に今期は、
1.「隣の家族は青く見える」
2.「アンナチュラル」
3.「anone」
という布陣でいきたいと思います。よろしくお願いします。(何が)


全4回だけど、女性が恋愛対象のMtFトランスジェンダーを描くNHKの「女子的生活」もすごい!
LGBTとはこういうこと」って説明するよりも、色んな種類の物語が、様々な具体例をどんどん提示していけばいいんだよ。

風は吹いているぞ!!!

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