あるゲイのサワライ マモル。

東京、会社員、ゲイ

73、転職はノアの箱舟か

〜前回までのあらすじ〜
どうやら会社のある同期が転職するらしいという情報を手に入れたおれたち少年探偵団は、東京郊外の飲み屋で送別会を決行する運びとなった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


普段昼食をともにする同部署のパリピな同期グループAではなく、たま〜に集まってはしっぽり飲む落ち着き同期グループBでの、初めての退職者ということで、急いでちょっとしたプレゼントなども用意して、わりとガッチリ送り出すことができました。


新卒で今の会社に入ってもうすぐ3年、そりゃ別の道に進む人も出てきます。
それぞれの道を尊重して、温かく背中を押したいよね…
でもサワライはといえば、
「なんでやめちゃうんだよ〜!抜け駆けズルイ〜!(泣)」
なんて言ってタラタラ文句を垂れてしまって、からみ酒、といった感じでした。よくないね。

別に自分に転職したい願望があるかっていうと、まったくないし、むしろまたあんな自己アピールとかしなきゃならないのかと思うとダルいとしか思わないし、普段「転職」の文字が頭から抜け落ちているサワライです。

でも、いざ、身近な人が突然、「ごめんちょっと今から新天地に羽ばたくわ」とか言い出したら、たよりない終身雇用神話や、東京以外の勤務地に飛ばされる可能性なんかのイメージが急激に鮮明になり、不安に駆られるというもんです。滅びゆく世界から脱出するノアの箱舟に乗れずに、愚かにも洪水にのみこまれる自分を想像してしまう…。

多分、おとなしい彼に自分を重ねて、勝手に「会社だるいけど、がんばろーね」と一方的な共感を持って安心していたんだと思います。
それがいつのまにかちゃっかり転職を決め(しかも公務員らしい!)、有休消化に入ってもう来週には引っ越すから、とか言い出したから、ちょっと待てええ!説明責任!!飲み会やるぞ!!!(泣)という流れでした。
逆うらみ?とはまたちょっと違うか笑

でもま、みんなになだめられながら、本人の口からやめる経緯とか聞けたし、自分が言葉にはしないけど漠然と感じていたモヤモヤも話したりして、スッキリできたのでよかったです。
プレゼントも無事に渡して、お互いの健闘を祈りつつの解散。良い飲み会でした。

 

今の会社が良いか、転職するのが良いか。
それは本当に個人の事情によるし、タイミングもあるし、ケースバイケースでしかないし、明確な答えはきっと出ないんだと思います。

大事なことは、定期的に、少しずつでもいいから自分の働き方・暮らし方を考えて、情報を常にアップデートしていくことじゃないかな。
ネットの海を泳いだり、ブログを書いたり、誰かとしゃべったり、できるだけ広い視点で考えられると、なんだか良さげですよね。


自分は今のところ、下記4点が仕事をする上で大事だなと思っているみたいです。

①月数度の舞台観劇や浪費をまかなえるレベルの収入
②東京勤務
③進化が止まらない技術の世界で食いっぱぐれないスキル
④同僚のジェンダー

③に関しては、3年働いてみて、自分なりにスキルを身につけたつもりだけど、まだまだ圧倒的にスキル不足だし、そもそも社会が求める技術者のあり方自体が変化している中で、どうやって生き残っていけばいいんだという感じで、なかなかわからないです。

④に関しては、普段仕事する上ではあまり気にならなくなってきたけど、折に触れてクソみたいだなと思う時あるし、かといってまあこれも人によるところあるし、どこまで他人に求めるべきなのかもわからないです。

「わからないです」ばっかりだなこの野郎!ま、それだけ難しい問題だってことにしておいてもらえませんか今日のところは?
もうほんとただただゴロゴロ寝っ転がっていたいよね…。


今はまだ大丈夫っぽいけど、勤務地が東京じゃなくなるってなった時、本気出して転職考えると思うな。東京で観たい舞台、たくさんあるもん。楽しいもん。

 

人はみな誰しも、暮らしを脅かすそれぞれの未来の「洪水」に不安を抱く。
そんないつかのために、自分オリジナルの箱舟を用意しておくことが必要なのかもしれない。
「うわっ…私の箱舟、弱すぎっ…!?」
そんなふうに、ならないように。

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72、隣の芝生は限りなく透明に近いブルー

木曜ドラマ「隣の家族は青く見える」最高でした。
今期のドラマの中で、サワライいちおしです。

www.fujitv.co.jp


深田恭子さんと松山ケンイチさん演じる30代の夫婦が、コーポラティブハウスと呼ばれる戸建てとマンションの中間みたいな集合住宅に住み始めるのが第1話。
その隣人にゲイカップルが登場する、という前情報を仕入れていたサワライは、テレビの前で正座待機して初回を迎えました。もちろん録画予約もバッチリです。

 

異性愛テーマばかりだった前時代から、徐々にドラマでもLGBTを取り扱う作品が登場し始め、悲しみ・苦しみを伴う感動エピソードで世間に印象づける時代を経て、ここ数年、いよいよ「普通の人」としてLGBTのキャラクターが扱われる時代になったんだなあと感慨深いです。


サワライは、小学生の時に観た金八先生の、性同一性障害の生徒を演じた上戸彩さんの印象が強いです。
あれは世間に絶大なインパクトを残したんじゃないかと思います。当時言葉としてはなかったにせよLGBTみたいな概念が広まり出した時代だったと思います。たぶん2000年代初頭。
それと同時に、サワライの思春期の不安にも大きく影響を及ぼしていたと思います。
少し悲壮感が強すぎた。
「こうなることは怖い」という漠然としたイメージを持った気がします。
なにか悲しい過去とひもづいた「特殊な登場人物」として出す作品が多かったように思います。


そこから2010年代あたりまで来て、佐藤隆太に同居人の綾野剛が自然に片思いしている「クレオパトラな女たち(2012)」とか、天海祐希とゲイの沢村一樹偽装結婚したりレズビアン内田有紀が出たりする「偽装の夫婦(2015)」とか、どんどんバリエーションが提示されるようになってきて、共感するしないに関わらず作品を楽しめるようになってきたことが、本当に嬉しかった覚えがあります。
逃げるは恥だが役に立つ(2016)」での、序盤から普通に登場していた脇役の男性キャラが終盤にサラッとゲイだと判明する流れとか、本当にカジュアルで自然で、めちゃくちゃ感動しました。

 

そしてついに、この「隣の家族は青く見える」ですよ。
集合住宅に住む4世帯のメインキャラの中に、ゲイカップルが登場するなんて!
海外ドラマの「デスパレートな妻たち」には途中から準レギュラー的にゲイカップルが登場するんですが、ついに日本のドラマで!感慨深い!


第1話では、コーポラティブハウスという集合住宅のデザイン打ち合わせ段階から始まったのですが、眞島秀和さん演じる建築士が自分もあくまで一人で住むつもりで進める中で、「いい歳なんだから、将来のこと考えてる?」という上司や、「困ったら私が結婚してあげようか?」という同僚女性に苦笑いするシーンがあり、同性愛者であることが暗示されます。
そして飲み屋で「別れた恋人の結婚式だった」と酒に溺れる年下の北村匠海さんと出会い、「相手の女の顔が見てやりたかったんだ・・・」とか言い出して、え、それってまさか、そういうこと・・・?と困惑する眞島さん。

そう、他の3組のカップルよりもめちゃくちゃ丁寧に2人の出会いが描かれていたのです。
仕事ができて、周囲を気にして温和に笑う年上と、奔放で出会い頭に「わたるんって、呼んでいい?」と上目遣いをかます小悪魔年下、うわあーーー!!最高!!

サワライは早速、甘え上手な北村匠海さんに自分を投影して、「こんなふうに年上に甘えたい!!!でも絶対こんな上目遣いとかできないんですけど!!!!てかこんな都合のいい出会いとかないんですけど!!???」などと感情が一気にあふれ出して、ひたすらもだえました。

ありえない設定、おおいにけっこう。だってドラマだもん!
「ありえね~」って思いながら、ブーブー文句言いながら、めっちゃあこがれるっていう、世間で一般的な王道な楽しみ方ができている。
ありえるレベルの「ありえない」が、そこにはありました。こういうの待ってたんだ。
こんな画期的なドラマが平日の22時に普通に放送されている・・・。
2018年、すごい。

 

ちなみに「隣の家族は青く見える」の読み筋としては、不妊治療に取り組む深キョンと松ケン夫婦のやりとりがメインなのですが、深キョンの神々しいほどの美しさは言うまでもないものの、不妊に対する男女の意識の差が浮き彫りになったりと清々しいほどの現実路線。
他の女性陣も、子ども至上主義の見栄っ張りな奥様と、バツイチ男性と結婚した子ナシ希望の女性が対立しており、火花バチバチ。

つまり、このドラマのヒロイン要素を、奔放な小悪魔系ゲイ男子・北村匠海さんが一手に引き受けており、とても画期的な構造だと思いました。
どうも年上の眞島さん側は隣人たちに隠したい様子ですが、アパートを解約したという北村さんがコーポラティブハウスに転がり込んできて、今後の展開が楽しみすぎます。

 


そうそう、ついついオマケ的に書いてしまいましたが、本筋の深キョンと松ケン夫婦の不妊治療に関する丁寧さ、めちゃくちゃよかったんです。
夫婦で訪れたレディースクリニックで「1年避妊をせずに妊娠しないということは、検査するまでもなく不妊と呼べます」ということを医者が通知する。
それでも「今はまだいいんじゃないか」とイマイチ自分事ととらえていないような夫に対して、かすかに不安になる妻、みたいな描写とか・・・!
すごく踏み込んでいる、と思いました。
「母ではなくて、親になる」という子育てエッセイを読んだ時も思ったのですが、不妊にまつわる情報ってデリケートな性質も手伝って世間にあまり浸透していないんですよね。
意識的に情報を得るようにしたいなと思います。まあ自分の身にふりかかる事象ではないっちゃないのかもしれないけど、知っていたいし、理解したいなと思います。


それと、夫の職場の後輩キャラとして須賀健太さんが登場するのですが、軽く「不妊治療することになってさ~」と愚痴り出した松ケンに対して、「え、こんなことも知らないんですか!?」みたいな感じでアドバイザー的な能力を発揮し、松ケンも徐々に考えを変えていき、協力する方向に!

そう、単純に男女の対立に仕立てて男を悪者として描くわけでなく、松ケンにも愛しくなる要素がちゃんと描写され、「うん、好きになるよね~」という描き方がされていて、よかった。

それにしても須賀健太さんの役、独身だけど精子数の検査をしたことがあったり、それを今ドキの常識というような温度感でサラっと松ケンに言ったりと尋常ではないレベルで意識が高くて、本当にこんな20代ストレート男性とかいるのか??と疑いつつも、いや実在する・しないにせよドラマでしっかりと描かれることは希望だな~と思いました。

自分の職場でああいうふうに先輩が不妊の愚痴を誰か後輩に言う場面を想像すると、同調圧力も働いて「うげ~」とかいう流れになりそうかなという答えに行き着いてしまいますが、もしかしたら世間の男性の意識は実はもっと先進的で、自分のストレートの男性に対する偏見が古くさいだけなのかな?とも思いました。
いや、実際の男性は松ケン的な当事者意識の低い感じが多いんじゃないかな~・・・

いずれにしても、意識の高い後輩キャラがハッキリと先輩の認識を正すところ、とてもよかった。面白いドラマの中で、社会問題を取り巻く正しい規範がサラッと提示されるの、とても意義深いと思いました。

 


集合住宅に住む「子どもが欲しいカップル」、「子どもが欲しくない女性とバツイチ男性のカップル」、「子どもと理想の家族像に執着する主婦と会社を辞めてしまった夫のカップル」、「男性同士のカップル」という4組の今後の展開が、気になりすぎて楽しみすぎる!!!!
楽しみなドラマができると、仕事もまあ、がんばってやるか~という気になるので、サワライの生命線です。

個人的に今期は、
1.「隣の家族は青く見える」
2.「アンナチュラル」
3.「anone」
という布陣でいきたいと思います。よろしくお願いします。(何が)


全4回だけど、女性が恋愛対象のMtFトランスジェンダーを描くNHKの「女子的生活」もすごい!
LGBTとはこういうこと」って説明するよりも、色んな種類の物語が、様々な具体例をどんどん提示していけばいいんだよ。

風は吹いているぞ!!!

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71、徹底・感情収納術

ダルい月曜。
会社の食堂で、数人の同期と昼ご飯を食べていた時のこと。
近々海外支社でのインターンを予定している、血気盛んな彼が、
「きのう友達の結婚式に行ってきた」と話を始めました。

同僚にはゲイであると申告していないこともあり、日頃、結婚だとか恋愛だとかいった話題にはだんまりを決め込むサワライですが、今日ばかりは話に加わりたいと思いました。
サワライも土曜、結婚パーティーに参加していたからです。
しかも、全国各地にちらばる大学時代のサークル同期が集合して、同期旅行も兼ねた、すげえヤツ。

都内の有名な高級ホテルがすごかったと話すお前に、もっとスケールの大きい話をお見舞いしてやらあ、と息巻いて、タイミングをうかがっていたのですが、話題は彼自身の結婚へと移っていきました。
普段から遊び人であることを誇っているというか、「酒・金・女に対して積極的です」というスタンスというか、なんというか古くさくて軽薄な彼の価値観が苦手なので、ちょっとまずい方向に来たな…と話したいオーラを引っ込めました。
すると案の定、「学生時代から付き合ってるけど結婚はないかな、でも今度の長期海外出張の直前までどうしようか悩み中」という彼女への、ぞんざいな対応を聞かされることになりました。
営業の女の子が、「アラサーも視野に入ってくるらしい相手のことを考えると、結婚しないつもりなら早く別れるべき」という至極まっとうな意見を示したのですが、「でもまあ、5%くらいは結婚の可能性もあるし笑」という返事。
あげく、少し前に彼氏と別れたらしいその子に「結婚は?笑」と聞いたり、女の子たちがいる前で「男は30歳でもまだあせんなくて大丈夫だよね、35歳くらいだったら相手いないとやばいけど笑」とか平気で言ったりする始末。


「結婚・子どもがゴール」という前提でどんどん話が進むことが怖い。
それ、失礼だよ、と言い出す勇気がない自分に対してどんどん自己嫌悪が進む。
しかも、絶対に内心では色々思っているだろうけど、「たしかに、もうすぐアラサーはやばいよね~」と一緒になって笑っている女の子に対して理不尽に苛立つ自分もいて、本当に何様なんだ?と、わけがわからなくなる。

恋愛系の話になるとピタッとおとなしくなり、むしろビクビクする気持ち悪い自分がみんなにどう映っているのかも気になって、恐ろしい。
苦しいけど反論もせず、ヘラヘラ笑うことしかできなくなる。


上手く笑えているだろうか?と気にする自分が、誰よりも、結婚は正義だという固定観念に支配されているのだと思う。

昼休みが終わってからずっとグルグル考えがまとまらず、仕事に集中できませんでした。
家に帰って一息ついて、こうやって文章に整理し始めてやっと少し落ち着いてきた気がします。

 

落ち着いて考えてみると、楽しかった結婚パーティーや同期旅行の思い出を、会社での屈辱とひもづけて記憶してしまいそうになっていたと気づきました。
「結婚」という雑な分類の大きな引き出しに、一緒に収納してしまうところでした。
あぶないあぶない。

具体的な友達の名前を明記した結婚と、
会社とかで雑にゴール設定されがちなプレッシャー装置としての結婚とは、別物です。
早急に100均で小さい収納用品、買ってくるべき。

 

サークルのマドンナだった彼女は、本当に美しかった。
誰よりもピンと伸びた背すじが強く印象に残った。
自分の意志で選び、自分の足で進んでいるんだと感じた。

あの日の祝福を、ビンゴ景品のポータブル加湿器を稼働させて再確認する。

練り物、カレーに苺パフェ、食べ散らかした観光都市。
遅めの初もうでに訪れた神社での、凶のおみくじ。
凶だね、とみんなで笑った。

 

結婚というキーワードは、どうしても緊張してしまう言葉ではあるのですが、だからといって大切な人の門出を祝う気持ちは、忘れたくないなあと思います。
もちろん切ない気持ちというか、説明できないキュッとなる感じもあるけど、それもちゃんと覚えておきたいです。
丁寧に覚えて、しまっておきたい。

ま、会社での悪意・愚痴は適宜ブログに、母なるインターネットの海に垂れ流しましょう。
大丈夫、こんなありふれた憎悪で汚染されるほど、ヤワなネットじゃございません。

あと単純に彼氏ほしいだけのヒガミな可能性もあるので2018年、
色々と前のめりに行きたいです。

でもおみくじ凶だったからな~…!

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70、2017年、僕の私の大量消費社会

もう年末!?まじ!?

というおなじみの焦りとともに、この1年のエンターテイメント消費行動の、各分野BEST3を記録しておきたいと思います。
完全に個人の主観。好きを集めるってめっちゃ楽しい!金かかる!

電気・ガス・水道・スマップと言われるほど、日本のインフラであった国民的グループが電撃的に解散したかと思いきや、新しい地図とかいってガンガンネット媒体に進出したりと、時代の変化ハンパない!振り落とされないように、自分もガンガンついていきたい!ガンガン消費していく!
1年あっというま。あれからぼくたちは何かを信じてこれたかな・・・

 

~本~

www.kawade.co.jp

お子さんを出産された小説家の方の子育てエッセイ。
え、子育てエッセイお前が読むの?って感じかもしれませんが、著者の山崎さんのジェンダー観が好きなので、すごく気になっていたんですよね。
男らしさ、女らしさ、そんなものに縛られる必要はなくない?っていう感じ。
「赤ちゃんの性別も書く必要がない、この子の性自認もまだわからないし。」といって最後まで性別が出てこないという潔さ!しびれる!
普通に出産から子育ての実用的な知識も得られるし、結婚や出産、それにまつわる男女間や社会との関わり方について、山崎さんが非常に丁寧に考えて言葉を連ねていて、とてもよかった。
どの考え方が良い、悪い、ではなく、多様性を重んじるスタンスが最高。
結婚の有無、子育ての有無、仕事の有無、性別、年齢関係なく、色々な人に読んでほしい一冊。

 

  • 「星の子/今村夏子」

publications.asahi.com

新興宗教に染まっていく両親の元で育つ女の子の話。
特筆すべきは、そのニュートラルな視点。
主人公が生まれてからだいたい中学生あたりまで、女の子の視点で語られていくのですが、新興宗教にハマることが良い悪いという書き方ではない。
「金星のめぐみ」という水を珍重する両親が、学校の先生の目に不審者として映ることもあるということ、そして、その人たちは自分の大切な両親であること、でもやっぱりその場で先生には言い出せないこと、主人公の視点で感じることができます。
遠い世界だと思っていたことが、誰の身にも起こりうることとして感じられる作品。

 

  • 「浪費図鑑~悪友たちのないしょ話~/劇団雌猫」

www.shogakukan.co.jp

本文の説明を引用すると、「(オタク女たちの)浪費(事情を紹介する)図鑑」とのことで、アイドルや若手俳優、ディズニーなど、様々なジャンルの第一線で浪費されている精鋭10名ほどの告白集と、WEB上で2000人(!)のアンケートをとった浪費データ(収入・支出・貯金!)などが載っている、非常に面白くて赤裸々な書物です。
劇団雌猫と名乗る本の作者4人組も、各界に精通するオタクであり、少し前からツイッター上での精力的な活動を拝見していたのですが、浪費にまつわる同人誌を発行したと思ったら瞬く間にネット上で話題になり、このように商業誌として出版され、様々な媒体でアツい本として取り上げられるという快進撃で、めっちゃあこがれるし嫉妬した笑。
お金も距離も時間も超越する、その熱意あふれる文章はどれも面白く、刺激を受けて今年は舞台観劇の回数が増えたな~。「この舞台を観れるチャンスは今しかないかもしれない!」という笑。
浪費という言葉のイメージは悪いかもしれないけど、仕事でガンガン稼いで趣味で活力を生み出す、そういうエネルギーサイクルはめっちゃ健全だと思います。
劇団雌猫さんの同人誌第3弾「東京」も最近出たとのことで、気になりすぎる!こっそりネットで入手するつもりです。

 

~映画~

  • 「ドリーム」

sawaraimamoru.hatenablog.com

ブログにも書いた、爆走ハイヒール宇宙映画!

 

  • 「ギフテッド」

sawaraimamoru.hatenablog.com

生意気な天才美少女を肩車して優しく諭す影のあるイケメン!
これもブログ書いた!

 

miss-sloane.jp

銃規制法案をめぐって活躍する敏腕ロビイストの女性が主役。ロビイストってなに、って感じでしたが、どうも選挙戦で特定の政治家に有利に動くようにしたり色々な根回しをしたりする職業のことらしい。
とにかく知能戦で、セリフの密度が濃いし話の流れが速くてついていくのに必死でしたが、面白かった。
銃規制を訴えるキーパーソンが襲われそうになって、ちゃんと登録した銃を持つ市民に命を救われて、「じゃあ銃必要じゃん!」って逆境になってしまう展開など。

 

~ドラマ~

  • 「カルテット」

www.tbs.co.jp

第1話から高橋一生が「からあげにレモンを一度かけてしまったら不可逆」とか言い出す最強ドラマ。
松田龍平が、彼女ではないが部屋でともに夜を明かしちゃったりする同僚の結婚式で演奏するアヴェ・マリアWhite Love
内なる火を心に灯し、赤裸々に泣く演技をする満島ひかり
任意同行の車中、「頭の中に、思い出したい音楽がたくさんあるんです」といってラジオを止めてもらう松たか子

 

www.tbs.co.jp

宮藤官九郎さん脚本の間違いなさ。
夏帆さん演じる姫が、伊勢谷友介さんの策略で冤罪を被り、たどり着いた刑務所で出会ったのは小泉今日子さん率いるお節介おばさん軍団。夏帆さん以外のおばさんたちが先に出所して伊勢谷友介さんを復讐がてら誘拐したところから第1話が始まり、そこから徐々に過去・真相が明らかになっていく斬新な時間軸で、面白かったな~。ぶっとんだキャラ設定ながら、ちゃんと各俳優にマッチした役柄になっていたのは、クドカンの力も役者人の力も両方合わさってのことなんだろうな。様々な名言がどんどん飛び出して最高でした。
冷静に、冷静に…。

 

www.nhk.or.jp

過保護のカホコ竹内涼真さんにハマってしまって、すでに終盤に差し掛かっていたにもかかわらずNHKオンデマンドで一気見して光の速さでリアルタイム視聴に追いついたことでおなじみの朝ドラ。
1964年の東京オンリンピックあたり、茨城の田舎から上京した有村架純さんの奮闘。
主人公が特別なにかを成し遂げるわけではないけど、逆境にめげず、卑屈にならず、素敵な人たちと楽しく暮らすというストーリー。え、その話おもしろいの、ってあらすじになっちゃったけど、そこが脚本のすごさなのか、めっちゃおもしろかったんだよなあ~…。キャラがそれぞれよかったんだよなあ…和久井映見さんとかシシドカフカさんとか素晴らしかったし、竹内涼真さんとか竹内涼真さんとか…笑
や、朴訥とした昭和のエリート大学生にめっちゃハマった演技をしていらして、しかも有村さんとの王道なラブ展開で、少女漫画的なキュンキュン映像が満載で複数回再生を繰り返したのはいい思い出。

 

~音楽~

  • 「愛を伝えたいだとか/あいみょん」

youtu.be

ちょっとなつかしい感じのするサビのメロディーにグッときた。高音の張った声の感じが好みなあいみょんさん、22歳のシンガーソングライターとのことで、その若い才能への謎の嫉妬も込みで、今年1番聴いた気がする。

 

youtu.be

スミノフのCMでテレビでも流れてたこの曲。抑揚の少ない特徴的なフレーズが繰り返されるだけなんだけど、背後の効果音?や楽器がどんどん加わっていって、めっちゃアガっていく。
昔は1番と2番の歌詞が同じなんて手抜きだ!みたいに思うほど歌詞ぐらいしか変化を識別できなかったけど、最近は背後の楽器やパーカッションのリズムの刻み方も気になりだして、そういう楽しみ方できるようになってきたのが嬉しく思います。
tofebeatsさんも同い年とかで才能に嫉妬案件。

 

  • 「後悔/柴田聡子」

youtu.be

tofebeatsさんがテレビで薦めていて気になった曲。すごくかわいい感じの曲調と、本人の顔のアップがひたすら続くMVが印象的。
「ああ、きた、あの曲がきた」で始まり、「きのう名前を変えたよ きっちり外国風のに」とか、「ああ、バッティングセンターでスウィング見て以来 実は抱きしめたくなってた」とか、歌詞が面白い。


~展示会~

  • 「怖い絵展」

www.kowaie.com

平日も3時間待ちの情報、とはいえ怖い絵展。
渾身の有給発動で朝9時前に上野到着するも、すでに行列。
1時間待ちこそすれ、増列の一途だったので、最善は尽くせたかな。
企画者の本で主要作品の背景を予習していき大勝利。
処刑の絵は巨大で見ごたえMAX。

 

  • 「ソール・ライター展」

www.bunkamura.co.jp

写真の展示はなかなか経験がなかったのですが、楽しめました。
モノクロっぽい雪道にさす真っ赤な傘とか、色合いも面白いし、窓ガラス越し、反射など、様々な光の可能性が写真という形におさめてあってよかった。

 

  • 「パリ・グラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展」

mimt.jp

19世紀末のパリで、複製や情報伝達の手段でしかなかった版画が芸術の域まで高まっていった時代の作品がたくさん。
すごく華やかで、版画の特性なのかシンプルな輪郭のポスター作品群が見ていて楽しかったな。
色づかいがかわいい作品のマグカップやスマホケースなんかも買っちゃったりして、いいカモです!消費者の鑑!
でも、最近思うのですが、そこらへんの雑貨店で小物を探すよりも、美術館のおみやげショップで小物を探した方が、かっこいいデザインに出会える確率が高いんじゃないか、という説!
美術の展示をなんとな~く眺めて、最後のおみやげコーナーでグッズを物色。すごくオススメの消費形態です。

あ、あとフェリックス・ヴァロットンという方の黒1色の版画のシリーズが面白かった。
めっちゃ退屈そうな表情の夫婦の並んだ「取り返しのつかないもの」という題名の作品が、版画の黒ベタが効いていてすごくよかった。

 

 

~ミュージカル~

 

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不朽の名作レミゼ。ついに観ることができました。
やっぱりミュージカルは革命モノに限る、とはあくまで個人の意見。
怒れる群衆が横一列に並び、圧倒的な歌で感情を訴える光景が、とても好きだな~。
比べるべきものではないけど、自分の日常の抑圧からの解放みたいなものを勝手に重ねる。
レミゼ観た翌週、仕事中にあやうく反旗をひるがえしそうになったりしたとかそうでないとか。♪戦う者の歌が聞こえるか?
 

 

  • 「天使にラブ・ソングを…」

 

youtu.be

最高ミュージカル天ラブ!
主役が若い設定だったり、全曲映画と違う曲だったけど、音痴な聖歌隊がソウルフルなゴズペル隊に成長する感じ、1番気弱なシスターマリーロバートが、いや結局くそ歌うまいんか~いってなる場面とか、神。
神が1番アツいから他の男なんて相手にしない、みたいにシスターが歌うの、最高すぎる。

 

 

youtu.be

まさかの5列目で表情バッチリ!
生き仏ローリー様のギターソロからの生演奏と、みんなの歌とダンスにノリノリ、ペンライト炸裂。
小池徹平ソニンの漫画から飛び出したようなかわいさ。
ISSAの化け方、武田真治のサックス筋肉。
そして古田新太のカリスマ性にひれ伏した。

 


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後半スタミナ切れて感想が雑に!!!でもなんとか挙げたぞ!

去年に引き続き、よい消費ができたと思います!!!
来年もいい1年でありますように!


最後のエンタメ・メインイベント紅白!!!

テレビの前で正座待機!!!

 

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69、天才あこがれが止まらない

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映画「ギフテッド」最高でした。
「ドリーム」を観た時の予告編から気になりすぎて、必ず観ようと誓っていた作品。

周囲から浮いちゃうほどの圧倒的な天才の話、サワライの大好物なんですよね。
「ドリーム」はまだ人種差別の色濃い時代にNASAで活躍した黒人女性の天才たちの話でしたが、「ギフテッド」は現代のお話で、叔父さんと二人暮らしをするかわいらしい女の子が、小学校の先生の前で難しい暗算をやってのける予告のシーンが印象的でした。
ちょっと生意気そうなんだけど、叔父さんにはものすごくなついているようで、でも、その才能をめぐってどうやら離ればなれになりそうで…?というめちゃくちゃ興味を煽る予告編。これは名作に違いないとサワライは確信。
実際、予感は的中していて、素晴らしかったです。

 

絶対的な数学の才能を持つ7歳のメアリーと、男手一つで育てる叔父のフランク。
普通の子と同じように育って欲しいと、英才教育をあえて受けさせようとしないフランクのもとに、元数学者でメアリーの祖母にあたるイヴリンが現れて…


とにかくメアリーのまつ毛が長い。無限大にかわいい。
そんでフランクがゆるぎなくかっこいい。


賢いメアリーはませていて、あふれる才能がとどまるところを知らなくて、小学校のみんなと最初はうまく馴染めず、ちょっとした暴力をふるってしまうんですね。
でもそれも、同級生の男の子に意地悪をした上級生に対しての暴力であって、ちゃんとみんなにごめんなさいを言える柔軟さも持っている。
そして意地悪をされた男の子は工作の作品を壊されちゃっていたんだけど、その作品がクラスの誰よりも素晴らしい出来だったと、みんなに拍手をうながす。そんな、と~っても優しい子なんです。


これはひとえにかっこいいフランクが、たとえ男手一つであろうとしっかり愛情を向けて育てている紛れもない証拠。
フランクは時にはメアリーと言い争いもするし、ぶっきらぼうなところもあるんだけど(それがまたかっこよくていいんだけど)、自分の非を認めしっかり謝ることができる。
さえないボートの修理工かと思いきやちゃっかり元哲学の准教授で、豊かな人生は勉強だけではないということをちゃんと知っていて、それをメアリーに教え、メアリーもしっかり理解して、キュートに優しく育っているということが、本当に本当に素晴らしくて。


どこか影のあるイケメンが生意気な美少女を肩車して、優しく諭す。
夕暮れ時のフロリダのビーチ。
なんつー美しい映像だ。

ストーリー的には頭脳と人間味、の大きく2つの要素が打ち出されるわけだけど、2人の絶対的なビジュアルがこの作品でめちゃくちゃ重要な役割を果たしていたと思います。

ストーリーももちろん素晴らしかったんだけど、それよりさらに高い水準で、主役ふたりのシーンがどれも完璧な美しさでした。
映画館で、是非。

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68、悪意には糖分を

職場の先輩と口喧嘩をした。

うまくいかなかった実験結果のアドバイスをいただこうと話したところ、「次どうしたらいいか」よりも「サワライのやり方がよくなかったこと」を強調するような話し方をされて、イライラが募って、こちらも感情的な性格ですので、口喧嘩のような形式の地獄に突入しました。

お互いに冷静さを欠き、引くに引けない感じだったな~。
あの状態じゃ話も進まないし、ていうかイライラで思考もまとまらないから、適当に「はい、はい」相槌を打って、定時も過ぎていたしその日はすぐに帰りました。


帰り道も、家に着いてごはんを食べたあとも、イライラが収まらなかった。
なんでああいう言い方しかできないんだ?年下にあんなまくしたてるように言い放って気持ちよくなってるだけなんじゃないか??とか、どんどん悪意があふれて止まらなかった。

会社でたまにぶち当たる。
お世話になっている人だったり、技術がすごかったりして、敬意を払いたい相手に対しても、一緒に仕事をするとなるとイラッときて許せないと思う場面がどうしても生じてしまうから、もうなんか、本当はずっと寝転がっていたいな~という気持ちでいっぱいです。


あ、一応、口喧嘩した先輩とも次の日ちゃんと話せたし、なんとなく方針も決めて自分なりにがんばろうとしてるし、大丈夫ですたぶん。
先輩も色々教えてくれる人だし、普段はやさしいし、いつもはこんな人じゃないの…。

ってこれじゃあDV被害者じゃねーか!!!
あーしょーもな!こんなに色々おもいをさくのがバカらしくなってきた。
そういうのは適当にとらえておこう。

仕事が出来るかどうかと、人間性が尊敬できるかどうかは別問題だということを意識しておくことが大事かもしれない。
ごちゃまぜにして仕事が出来るあの人はすばらしい!と簡略化した方が会社みたいな営利組織はうまくまわるのかもしれないけど、期待と違ってガッカリしたり、傷つくことが絶えなくて、混乱するよこれじゃあ。

 

はぁ~くそくそ。心が乱れる。
ちなみに口喧嘩した日のイライラには、自分で勝手にハーゲンダッツのアイスを処方して、秋クール最高ドラマ「監獄のお姫さま」の録画をもう一度みて、なんとか乗り切りました。

好きな作家さんがトークショーかなんかで、
「自分の機嫌をとる手段をいくつか用意しておくといいですよ」
とおっしゃっていて、ああこういう時のためなんだな~とちゃんと意味を理解できた気がします。
自分の機嫌は自分でとってあげなきゃいけないし、コントロール効かない時がどうしてもあるから、物理的な動作によって有無を言わさず気持ちが落ち着く何かがあると、ちょっとはマシになったりするかもね、っていうことなんだと解釈しました。


サワライはドラマ/本/音楽/ミュージカルのエンタメ系と、やっぱりベタに、甘いものの爆食いですね。まあ度が過ぎたら破産するし太るので、そう頻繁には使えませんが…。笑

 

9月・10月は、ちまたの特別プレシャス・スイ~ツに挑戦する機会にもめぐまれて、本当に宇宙の神秘にふれたので軽く報告いたします。

 

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フルーツパーラーという聖域で、最強フルーツパフェを食すという夢が叶った!
しかもダイナマイト悩殺マスクメロン。香りと風味がすごかった。
というか生クリーム!まず何よりも生クリームがうますぎて最初足止めされたんですよね。も~早くフルーツ部分、行かせておくれよ~!って。生クリームの時点でこんなおいしいなんて反則でしょ~つって。バターの風味が豊かすぎるあの生クリーム、ウィダーinゼリーみたいな容器で販売してほしすぎる。

 

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所用で地元に帰った時に、伝説のかき氷屋さんへ。
高校の時にウワサではきいていたけど行列がすごくて結局行けずじまいだった因縁の地に、時空をこえて行くことができました。
「この地元に食べログ3.5点以上が存在するだと…!?」って言ったら同行してくれた友達(違う土地出身)に「そらあるだろ」と突っ込まれ自虐グセを反省した秋の初め。
マンゴーの濃厚な果肉とまろやかなミルクベースのふんわりかき氷が絡み合い、口の中で核融合反応を起こし、臨界状態で絶対零度メルトダウンでした。(意味不明)

 

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そして秋らしさを取り込んだ一品も。
本格的なチョコレート屋さんのチョコパフェ。テーマは栗。
グラスの中、よく見ると縦に仕切りがあって、チョコ系の層が重なった西陣営と、栗系の層が重なった東陣営に丁寧に分けて作られてあったんです。その両者をへだてるベルリンの壁も、実は板チョコ。
最後は壁も崩壊し、どんどん親和していく中で、チョコと栗のハーモニーが、自由のおたけびをあげました。
というか上部にはビターチョコのアイスと栗のアイスと、赤ワインのアイス(!)が乗っていて、少し苦みのある大人な味わいでした。
もし自分が「チョコと栗のパフェを作りなさい」とお題を出されたとして、赤ワインは思いつけないよな~と、プロの仕事に感心してしまいました。
実際、チョコと栗の濃い合わせ技はもちろんおいしいけど、そこに赤ワインのアイスが加わった味も、スッキリとした酸味が加わって、戦力アップ確かにしているんですよ!
共通言語としては渋み、みたいなもので3者はちゃんとつながっているし説得力もある。
あれは感動だったな。

 

 

 

いや~、でもこんな贅沢なかなかできないから、がんばって働かにゃなりません。
そんでまた仕事で悪意があふれて、糖分を求めて…。
悪意と糖分のPDCAサイクル、しっかり回していきたいところです。

67、二十億光年のハイヒール

映画「ドリーム」最高でした!

 

www.foxmovies-jp.com


白人男性が大多数だった頃のNASA。その宇宙開発の現場で計算手として働く黒人女性たちの、賢く機転の効いた奮闘・そして活躍を描いた作品。
音楽もごきげんで、セリフまわしがいちいちユーモアに満ちていて、すごくかっこよかった。黒板にチョークで数式を展開する勇姿がたまんないんです。

女性活躍×エンジニアってあらすじだけ聞いた段階から、絶対にサワライが好きなヤツじゃねーか!という感じで、前々から気になっていたんですよね。
結果、みごと心をわしづかみにされました。

 

 

女主人公が男性優位の社会で能力を発揮して、賢く面白く活躍する映画が昔から大好物でした。

FBIの男勝りな女性捜査官が、爆破予告の届いたミスコンに潜入捜査するべくキレイに変身しながらも、強さとユーモアで立ち回る「デンジャラス・ビューティー」とか、

www.amazon.co.jp


若くてかわいいだけじゃちょっと・・・と恋人にフラれて一念発起しロー・スクールに合格して、ファッションの知識や持ち前の行動力で事件の真相まであばいちゃう「キューティ・ブロンド」とか、

www.amazon.co.jp


その系列の作品ですね。

デキる女性がハイヒールで覚悟決めてキョタキョタキョタッと奔走するシーンは、なんだかすごく元気をもらえるし、勇気がわくんです。
ハイヒールが履きたいとかそういう話というよりは、男性優位の中でも自分をしっかり持って、自分の足で行動する強さ、みたいなものにあこがれるんだと思います。

「ドリーム」でも主人公がとある理由でハイヒール爆走を繰り広げるシーンが何度も出てくるんですが、すごくグッと来ました。

 

 

そして宇宙開発という題材が純粋にかっこよかった。
メーカーのエンジニアとして日々ヒーヒー言ってるサワライには、まぶしすぎるくらいの熱意で仕事に取り組む姿が印象的でした。
メインの女性3人組の中の、主人公が突き抜けた天才型で、「アイツに任せるしかない」「あなたならできるわ」ってなる感じというか、ちりばめられる天才描写が爽快。
あと、黒人女性計算手を束ねるリーダー的存在の女性が、コンピューターが導入されると計算手が不要になる未来を見越して、「私たちはプログラミングの勉強をしておきましょう」と準備して、そして実際に必要とされる、というなんともクールな展開にあっぱれ。

これ、現代のエンジニアとしてのあり方なんかも多分同じことなんだろうな、と思いました。
変わる環境に備えて、爪をみがいておくこと。それができる人は強いよな~。
というかエンジニアに限らず、どんな仕事の人もそうなのかもしれない。
どんどん情報があふれていって、AIなんかもチラホラする未来、常に時代の流れを読んで自分は今何ができるのか考えておく、っていうのを出来る人が輝いていくんだろうか?そんなこともないか?なんだか考えすぎると、ちょっとこわくなるからこの辺にしておこう・・・。

 

 

というわけで、爆走ハイヒール宇宙映画「ドリーム」絶賛公開中です!
まだ間に合うので映画館までキョタキョタダッシュだみんな!

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