あるゲイのサワライ マモル。

社会人2年目、慣れない東京

24、全力来世

今週のお題「私の流行語大賞

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先月ライオンキングのミュージカルを観に行ったのは記憶に新しいところなのだけど、また行ってしまった。

sawaraimamoru.hatenablog.com


今回は劇団四季の「コーラスライン」という演目を観てきた。

バックダンサーのオーディション会場というシチュエーションで、鏡ばりの後方を向いた参加者たちがダンスの稽古をしていたかと思えば、次の瞬間客席に向き直り、役を勝ち取りたいとダンス審査で訴える。
そんな始まりが印象的だった。

ダンス審査をパスした17人は自己紹介を始め、やがてそれぞれの人生の回想が繰り広げられていく。
予期せぬ演出家の追求に戸惑いながらも、舞台に立つことの意味、ひいては自分の人生の意味に全員が向き合うことになる、というストーリー。

 

ダンスと歌、比較的短いスパンで劇団四季の高品質に2度も触れ、抱く感想は
「来世は歌って踊れるミュージカルスターになりたい!」
だった。

 

実はこの「来世は〇〇になりたい!」というフレーズが、今年に入って何度も脳内を行き交っており、「私の流行語大賞」だなと思っている。


元旦の特番でみたプロの書初めに触発されて「来世は書道家になる!」と思ったし、卒業旅行で訪れたパリの美術館では「来世は画家しかない!」と叫んだ。
会社から疲れて帰ってきた体を癒すためにYou Tube三代目 J Soul BrothersのMVを漁っては「来世はやっぱりダンサーか…」とため息をつく毎日。


まあ要するに、会社員として働くことに対する現実逃避の呪文が「来世の夢」を充実させることなのだ。

くれぐれも断っておきたいのは、いますぐしんで生まれかわりてえ…みたいな感じではないということ。あくまで妄想、妄想。
今の会社だって、モノづくりがしたいという自分の夢を叶えるためにはうってつけの場所だと心から思っている。

 

ただ、一般的な日本企業の、特にメーカーの男性社会において、ゲイの心を持ちながら何食わぬ顔で働くことには、息苦しさを感じる。
そんな現実に立ち向かうために、来世の華やかな人生を夢想して、気持ちを軽やかに保ちたい。
だから私は、キラキラ輝く人々の作品や表現を、少しでも多く味わいたいと思う。エンターテイメントのパワーって本当に偉大だ。

 

最近酔っぱらって友人に、「来世はね、ピアノの英才教育を受けてね…」とか語ってしまい、「いや、今を生きろよ!今からでもピアノ始めればいいじゃん!」と指摘をもらったのだけど、「いや、そういうことじゃねえんだよ!」と思い、でも結局上手く伝えられなかった。


私は今に必死だ。会社の仕事もまだまだままならないし、ゲイとして恋愛をしたことがない。何が正解なのかまったくわからないし、そもそも正解を出す必要があるのかもよくわからなくなってきた。
でも、なんかこう、負けたくない。
まだ25年とちょっとの人生だけど、自分なりに歩いてきた道がある。
せっかくここまで来てしまったなら、この道の先にあるかもしれない、何らかの景色をみてみたい。

 

その上で、来世にもう一度、人生単位で何かにチャレンジできる機会が与えられたなら、取り組んでみたいと思えることがい~っぱいあるんだよ!という希望に満ち満ちた、活き活きライフな、ファンシーな気持ちが爆発してついつい、「来世は〇〇になりたい!」という言葉が頭の中を駆け巡る。現実的な対策とかは別に必要としていない。(ちゃんと話をきいてくれた友達には申し訳なく思う。)

 


ここまで書いといて言うのもなんだけど、私は別に生まれ変わりを信じているわけではない。
ただ、来世妄想がいっそう楽しくなる作品を知っている。
西の魔女が死んだ」という本だ。

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西の魔女ことおばあちゃんが、主人公のまいに語る死生観がとても素敵で、今のところ私もそれを採用している。

おばあちゃんいわく、魂と身体が合わさってはじめて1人の個人が形作られる、とのこと。
身体は生まれてから死ぬまでの付き合いだけど、魂はもっと長い旅を続けなければならないという。
そして魂は、身体を持つことによってしか物事を体験できないし、体験によってしか、魂は成長できない。

だから、今体験する喜びや感動、痛みや悲しみだって魂に刻まれるし、死んだ後もずっと何かしらが続いていく。身体がなくなれば自分という意識はおそらく消えてしまうだろうけど、また魂が何かの身体に宿った時、今の自分の何かが続いていく。

今の自分の人生に無駄なことなんてないと思えるし、来世への期待も高まって、本当に素敵な作品なのでよかったら読んでみてほしい。

 

とまあ、長々と書いてしまったが、「コーラスライン」の登場人物たちの夢への道のり(挫折的なことも含む)とか、それぞれの人生、みたいなものに触れて、自分も色々考えてしまったよ~ぅ、という話。ゲイの登場人物の悩みがクローズアップされる場面もあって、涙出かけた。危なかった。

 

 

つらい思いをしたって、来世の芸の肥やしにすればいい。

無駄なことなんて、まったく何もないのだから。

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