あるゲイのサワライ マモル。

東京、会社員、ゲイ

65、灼熱!メルティング・ピーナツバターの海

みなさんはトースターで食パンを焼く時、マーガリンやバターは前塗り派ですか?後塗り派ですか?
食パンが焼き上がった瞬間チン!と垂直に飛び出すタイプのトースターが商品化されている以上、トーストされたパンに後から塗ることが一般的である気はします。

 

サワライも以前は後塗り派だったのですが、最近あらかじめピーナツバターをたっぷり塗りたくっておきトーストさせてとろけさせる、という過激派に改宗したのでした。
この前塗り方式のほうが、バター的な物がジュクジュクにとろけてアツアツのいい状態でいただけるから、ウマイ!ということに気づいてしまったんです。後塗りじゃ、冷蔵庫でヒエヒエに固まった物を塗りつけることになって、相対的にトーストが冷めてしまうんですよね。冷めるのとかダサくない?っていう。

トーストのバターは前塗りでジュクジュクに限る。
サワライ、20代にしてこの地球(ホシ)の真理にたどり着いてしまったみたいです。なんかすいません。


そんなふうに得意げに、前塗りのおいしいピーナツバタートーストをほおばって出勤するこの頃だったのですが、悲劇は突然訪れました。
昨日の朝の出来事です。

サワライの寝起きは最悪なので、ほぼ目が開いていない夢見心地で、自動操縦モードで食パンにピーナツバターを塗ってトースターに突っ込んでタイマーのつまみを回すわけです。
愛用のブレンディースティックを溶かしてカフェオレを作るべくお湯をわかしているうちにチン!とトースト完了のお知らせ。

寝ぼけまなこで皿を持っていき、ジュクジュクとろけたピーナツバターの海が広がる、いい焼け具合の特製トーストを拾いあげようとしました。
前塗りでもトーストできる、ということで食パンが横たわった状態なわけですが、その端と端を親指と中指で挟んで、横方向にスライドさせるようにして取り出すのがいつものやり方です。
その日はなぜか、いつも以上に寝ぼけていたのか、トーストを取りこぼして少しだけ手前にスライドした状態で着地しました。
もう、手間取らせるなよ、と、少し飛び出たトーストの端を、今度は裏面に親指、表面に中指で挟むようにして、一気につまみあげようとしました。

と、ここまできて、ようやく目が覚めてきたのか、表面にピーナツバターをたっぷり前塗りしていたことを思い出しました。
そう思い出すよりも早くサワライの指元の筋肉は躍動し、思いっきりバタートーストをつまんでいて、つまり、中指の先端が勢いよくアツアツにとろけたピーナツバターの海にダイブしてしまっていたのでした。

瞬間的に熱さを感知しトーストから指を離しましたが、ピーナツバターのトロトロネバネバな特性がこれでもかと発揮され、サワライの中指が金色に輝くピーナツバターでコーティングされてしまったのです。灼熱のコーティングです。ヤワな中指が耐えられるはずもなく、ギャー!と叫びました。

こ、こんなアツアツ、口でねぶるわけにもいかない!ほら~!私ってぇ~!猫舌な人じゃないですかぁ~!!!!
りゅ、流水!流し!あ、でもこんなネバネバ流しにまき散らすの!だめ!!絶対!ティッシュティッシュで拭き取らねば、拭き取らネバ、あ、ウソ、どこ、あ、あった、あ、あ、熱い、熱い、熱い!

とバタバタ部屋を駆け巡って、トースター場から少し離れた場所に置いてあったティッシュになんとかたどり着き拭き取って、台所の流しで中指にようやく流水をぶっかけることができました。

本能の反射神経の中で理性が邪魔をして、流水措置が遅れたために、完全にヤケドしてしまったようで、昨日は中指の先端がヒリヒリしっぱなしでした。
さすがに一日経って症状はおさまりましたが…。
けっこうトラウマかもしれません、あの中指のピーナツバターコーティングは。え!ふりほどけない!っていう。あの絶望感といったらなかった。
たぶん中世のヨーロッパあたりでは拷問の手法としてアツアツに溶かしたピーナツバターを指の一本一本に塗りたくっていき、「さあ!自分でねぶれ!」というたいへんサディスティックな惨劇が繰り広げられていたに違いありません。そうとしか思えない。

 

そんな悲痛な体験を経てもなお、今朝サワライは無意識に前塗り方式でピーナツバターを塗りたくり、トーストを作っていました。
体が欲している…、あのアツアツピーナツバターを…。だって、おいしいから…。
懲りずにイチかバチか、前塗りトースト派を貫いていくサワライなのでした。

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