あるゲイのサワライ マモル。

東京、会社員、ゲイ

64、花嫁に同行する人

 

先々週の土日、弾丸京都旅行でした。
いつもの大学時代メイト関西支部4人組と。

 

自分ともう一人女の子が早めに京都入りできるということで、マニアックな寺まわる?それともめずらしスイーツに並ぶ?なんてワクワク連絡したら、「来年結婚式を京都でやろうとしているが準備にさく時間がなく、夫さんも海外出張だかなんだかで不在、ちょうどいいから一緒に式場見学をしてくれないか?」という申し出が舞い込んできました。

いやいやまあゲイとはいえこっちも成人男性の容姿ですし、夫じゃない他の男と2人で式場見学って正気かよってちゃんと聞いたんですが、正気だよ、って感じで返されて、やれやれって同行しました。

この2月にも京都旅行をしていて、こちらのメンバーにはその時ゲイだと申告したのですが、「もっと早く言えよ、気にすんなよガハハ」ってなもんで、基本的に気持ちのいいやつらなんですよね。が、いや、それにしても色々と気にしなさすぎでは?と心配になるレベル。

でも、ま、口ではギャーギャー言いつつ内心めちゃくちゃうれしくて楽しかったのはここだけの話。式場の見学なんてそうそうできないもんね。

 

おれは結婚式の二次会というものにようやく最近になって初めて行ったような素人中の素人で、自分の恋愛形態に憲法が対応していない以上現実味がなく、どうにも関係のないものだとなんとなく敬遠していました。
そんな中で思いがけず、仲のいい友達というフィルターを通してふりかかった結婚式場見学イベントは、担当ウエディングプランナーさんの異様なテンションもあいまってとても楽しかったです。(こういう他人の幸せごとをプロデュースする人のエネルギーって本当にすごい!)

カミングアウトしていない会社の同期たちと出席した結婚式二次会の時は、なんだかモヤモヤ成分が多かったけど、気心の知れた少数精鋭の友達の結婚式は、どうやら別腹みたいで普通に楽しみなんですよね。現金なものです。

けっこう人気な京都の式場だったらしく、キャンセル待ちのような状態でしたが、なんとか友達の希望の日取りが用意してもらえたみたいで、一件落着。

 


そのあとは縦横無尽に街を歩きました。六波羅蜜寺空也上人像の口からわき出る南無阿弥陀仏を拝み、激ヤバきなこアイスの総本山・京きななに並んで舌鼓をうつ。町屋を改装した、京野菜でもてなしてくれるリーズナブルな飲み屋さんでほろ酔いになり、適当にテイクアウトしたコーヒーを持って、夜の鴨川のへりに腰を下ろし、あーでもないこーでもないと、みんなでグダグダしゃべる。

 

熟練の京都サークルである我々は、しかし京都に住む学生ではもうなくなっていた。
いくら京都の楽しみ方を知っていようが、そこらへんの観光客と一緒で、結局は別の場所に帰らなければならない宿命にある。宿命と書いてさだめと読むパターン。

 

あの、京都の街と同化していたような学生時代の黄金の感覚は、厳密な意味では二度と戻ってこないんだろうなあと思うと、本当に本当に寂しくて、でも、川床の優しい灯りを反射する鴨川はきれいで、大好きがどんどん加速して、切ない、に全身をからめとられ、結局とぷとぷ夜は更けていくのでした。

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